2012-06-01から1ヶ月間の記事一覧

父の娘たち・・・渡邉泰子と木嶋佳苗(‥‥そして私)

一週間ほど前に美容室で手に取った『婦人公論』誌上にて、北原みのりが東電OL殺人事件の被害者、渡邉泰子と、結婚詐欺・連続不審死事件の被疑者、木嶋佳苗との共通点を、「父の娘」であることだと書いていた。それが二人の性的逸脱行動になんらかの影響を及…

老人たち

父を介護している母を訪ねてまた実家に行くと、「今、これ読んでるの」と母が差し出した本が、『母の遺産 新聞小説』(水村美苗、中央公論新社、2012)だった。 母の遺産―新聞小説作者: 水村美苗出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2012/03メディア: 単行…

老いるということ

15歳になる飼い犬がいる。飼い主の無知と怠慢で12歳の時フィラリアに罹ったが奇跡的に助かり、薬を飲みながら生き長らえてきた。雑種の中型犬。それがこの数年で、すっかり老犬臭くなった。人間にしたら80歳を超えているのだから当然だ。おまけに心臓が弱い。…

引かれた線、「語り伝えよ」という伝言・・・『この空の花』感想メモ

Twitter上(東京方面)でえらいこと話題となっていた(『この空の花』スバル座最終日TW - Togetter)大林宣彦監督作品。名古屋の中川コロナ第2週目、6分くらいの入り。2時間40分という尺の長さと後半の音楽のこれでもか的盛り上げが個人的にはちょっとク…

原節子、死者の代理人

先日、ずっとかかりっきりだった原稿に一段落ついたので、一人で”小津トリエンナーレ”を開催した。”小津トリエンナーレ”とは三年に一回(くらいの割合で)、家にある小津安二郎の映画DVDを数日かけて観直すことである。『晩春』(1949)以降の作品のうちの10…