2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

丸くなるということ

1年くらい前の話。デザイン専門学校が終わって帰る道すがら、授業で組んでいる若い講師の人に「しかし大野さん、丸くなりましたよね」と言われたことがあった。 「この間Mさんも、大野さん昔に比べてほんと丸くなったよねって言ってましたよ。私、一緒に授…

75歳の「おねえちゃま」とホームの人々

老人ホームの父のいるフロアに入居している高齢者は20人ほどで、女性が多く平均年齢は90歳だ。 母と私はわりとしばしば父の見舞いに来ているので、同じフロアの人々とはすっかり顔馴染みになった。 特に、愛想が良く、目が合えばいちいち丁寧に頭を下げて挨…

短所を隠しているのは相手を騙すことなのか

彼女に求めているものが違う - AnonymousDiary 付き合う前に自分の短所を相手に知らせ、それを受け入れてもらえるなら付き合う、そうでないと安らぎが得られないという増田記事。ブックマークコメントでは、おまえの短所はおまえではなく相手が決めること、…

なぜ誰も「かわいい女の子」ではなく「かわいい子猫」になりたいと言わないのか

「かわいい女の子になりたいオタク」話が少し前に盛り上がっていた。その話の肝は(こちらのブコメにも書いたが)おそらく「女の子になりたい」ではなく、「かわいい(者)になりたい」。 「かわいい女の子になりたい」が時々「女の子になりたい」という言い方…

介護とお金と幸せ

有料老人ホームに入居している父の見舞いから帰ってきた母が電話で、「相変わらず言葉はほとんど出ないし寝てばっかりだけど、お父さんは幸せだと思ったわ。あんな暖かくて快適なところできちんと食事をさせてもらって、体も髪も爪も歯もきれいにしてもらっ…

他人のシモの世話をすること

排泄は、プライバシーを厳重に確保した上で行いたい行為の一つだ。 排泄の直接の「原因」である食物摂取は、人と共に行うことに特に恥ずかしさを感じない、むしろ楽しかったりするのに、排泄が強い羞恥心と結び付いているのは、その器官と生殖器の位置が極め…

藤田直哉さんへのお答え

(※ 長い追記あります。3/5、三つ目の追記加えました) 藤田直哉さんがtwitterで、先日の記事「自意識のセーフティネットを破って」について、疑問を呈しておられました。 大野左紀子さんの「自意識のセーフティネットを破って」、概ね頷くんだけど、やっぱ…

『ねことオルガン』が教えてくれたこと

『ねことオルガン』(1962、今西祐行、小峰書店)。小峰書店の創作幼年童話シリーズのうちの一冊だが、長らく絶版となっている。 子どもの頃に読んだこの本のことを最近急に思い出し、実家にまだあるか母に聞いてみると、姪(妹の娘)が小さい時にあげたとい…