連載「男子にはなれない」

男子にはなれない ● 第九回 ● 群れる女

「喫茶店族」の横暴 私は三日に一度くらいの割合で、喫茶店に行く。仕事が休みの日は、必ず行くと言ってもいい。自分では買わないが読みたい雑誌や新聞に目を通すのが主な目的なので、その種類が豊富なところが、私にとっていい喫茶店である。 そしてもちろ…

男子にはなれない ● 第八回 ● 純潔の掟

シルバーリングの教え 「セックスはすばらしい!」 「セックスはすばらしい!」(唱和) いったいなにごとかとぼんやり眺めていたニュース画面を注視すると、壇上で一人の男(白人)が聖書を振りかざして叫んでおり、会場の少年少女(見たところ白人を中心と…

男子にはなれない ● 第七回 ● 肌の上の煩悩

肌見せと肌隠し 夏になると、女性は肌を露出する。女性といってもどちらかといえば若い女子。 私の行っている専門学校や大学でも、上はキャミソールやタンクトップ一枚という女の子が目につき出した。露出し始めの頃は皆まだ陽に焼けていないナマっちろい肌…

男子にはなれない ● 第六回 ● コスメ教国名古屋事情

痛恨の一万五千円 『女性自身』6月14日号の記事「名古屋嬢「美の執念」ここまでスゴイ!」によると、一ヶ月あたりのスキンケア支出額は、愛知県が全国でダントツのトップである。 データは資生堂が発表した「生活者と美の白書 '05年版」で、対象は15歳から6…

男子にはなれない ● 第五回 ● 中3トリオの宿命

想定の範囲外 プロレスごっこではなく、マジ切れ(私が)の喧嘩。先日久しぶりにそれをやったお陰で、今腕がちょっと筋肉痛だ。夫はその際手首に引っ掻き傷を作ったので、暑いのに外で腕まくりができないと文句を言っている。そんなもの、犬に噛まれたとでも…

男子にはなれない ● 第四回 ● 幻想の男子不可侵領域

女子が輝くステージ 子供の頃私は、バレリーナに憧れていた。バレリーナは小学生女子が夢見る職業の一つ。いや職業と言うより、ファンタジーの一つ。ノートに描くマンガと言えば、バレリーナであった。”不幸な少女”のお話や母子ものメロドラマや現実離れした…

男子にはなれない ● 第三回 ● はるみさんの時代

専業のカリスマ 今をときめく「はるみさん」と言えば、栗原はるみである。 世界の優れた料理本を対象とする「グルマン世界料理本賞」をこの度日本人で初めて受賞し、一躍広く名前が知られることになった。全国のハルラーは喝采を叫んだことであろう。 ハルラ…

男子にはなれない ● 第二回 ● 全員女子世界の正念場

国民的ファミリードラマ 一見何の不幸の陰も見えぬ幸せな満点家族なのに、実は嫁と姑が冷戦状態とか兄弟で骨肉の争いをしているというのは、よくあるらしい。テレビドラマになったりもする。『渡る世間は鬼ばかり』はこうした家族のいざこざネタで、延々牛の…

男子にはなれない ● 第一回 ● 『下妻物語』の退廃と諦観

ヤンキーvsロリータ 下妻物語 スタンダード・エディション [DVD]出版社/メーカー: 東宝発売日: 2004/11/26メディア: DVD購入: 2人 クリック: 72回この商品を含むブログ (739件) を見る去年の女の子映画と言えば、『下妻物語』である。『世界の中心で愛をさけ…

男子にはなれない

連載のはじめに 女子は、男子にはなれない。当たり前である。では、なぜ「女は男にはなれない」とか、「男子は女子になれない」ではないのか。 それは、女ではなく女の子が、「男子になりたい」と「男子にはなれない」との間で悩むからである。 男子の、女の…