Ohnoblog

結婚と家族

寝ている間に男女問題エントリ乱立状態 いつものようにツーテンポくらい遅れて、あちこちにエントリの立った男女問題について、というより男女問題であちこちにエントリの立った状況について考える。 女性の心ない言葉の暴力に殺された男たちという、結婚に…

すべては既に書かれている

二週間ほど前のある夜、黒服サングラスの男達が家にやってきて、寝転んでテレビを見ていた夫に言った。 「怪しい者ではありません」 夫が「な、なんだあんたら‥‥」と言っている間に彼らは、作り置きカレーの鍋を見張りながらキッチンに持ち込んだノートパソ…

行動規範と個人的倫理

今回の一連の騒ぎ(?)で、「問題行動の見過ごしは連帯責任か?」という点が各所で言及されているので、改めて自分のスタンスを明確にしておきたい。 私はもともとこれを、ネットのあらゆる人間関係に一般化してはいない。 通りすがりに問題ある言動を目撃…

いろいろなエントリやブクマコメントを見て感じたことなど

私は10日の記事を、特定の事象についてほのめかす形で書いた(そうした理由はkanose氏の6/11の記事のコメ欄を参照)。 特定の事象の「特異性」については、Masao氏の記事で端的に述べられている。そこのコメ欄でも少し書いたが、この件にはネット上の人間関…

ネット上の暴力

こないだのエントリのコメ欄(11/19追記:5/31のコメント欄は復元できませんでした)で、ショータ氏とやりとりしていて考えたネット上の暴力について。ここでは、罵倒について考えてみる。 罵倒言葉はそれ単体で取り出せば、不快な言葉である。できれば口に…

タラ子のプライド

デザイン専門学校で、一年生のデッサンの授業をもっている。今は、組み合わせた複数のモチーフをB2の画用紙に、約15時間にわたって精密にデッサンする課題。 時間が三分の一ほど過ぎたある時、1人の学生が「描き直したいので、新しい紙もらえませんか」と言…

なぜ「使う時には注意が必要」なの?

昨日のエントリについたtomo-moon氏のブクマコメント。 「相手を性的に好ましいと看做した上で出てくるようなからかい」 それは周囲からみると必ずしも気持ちのいいものではない場合もあるので、使う時には注意が必要ですね。(その逆だと、いじめに取る人も…

pal-9999氏の「男女のファックコミュニケーション」論の無意識

もうやめようと思いつつ、pal-9999氏の男女のコミュニケーションで難しいところにちょっとだけ異論(というほどのものでもないが)があるのでまた書く。 pal氏は次のようなまとめをしている。 男女のファックコミュニケーションの場合、 ・性的な意味でのか…

自尊心の最後の砦

もうこの話題はお腹一杯な人も多いと思うが、もうちょい引っ張ります。 pal-9999氏はこちらのエントリで、女性の「褒め褒めコミュニケーション」は、「友達沢山つくる」のと「敵を減らす」ためであろうとし、私もそれには基本的に同意である。 しかしここで…

一日一回ファック

喧嘩と褒め殺し 腕に自信のある若い剣士同士が知り合って、 「お噂はかねがね聞いておりました。一度お手合わせをお願いしたい」 「望むところです」 となって、道場や河原などで一戦交えたりするシーンを、映画で時々見る。 そこで結構互角のいい勝負が繰り…

料理関係モテエントリ

ところで、素晴らしいエントリを発見した。というか見つけた時には、コメントもブクマもたくさんついてて大盛況。 ある種の会話テンプレート封じ(white_cake氏) 何が素晴らしいかというと、まず出てくる男がいかにも決めつけの激しいイタいタイプで、再現…

褒めちゃダメ?

異性を褒めることの難しさが一部で話題になっていたので、例によって便乗してみようと思う。 異性愛者が異性を誉めると恋愛感情を持っていると勘違いされやすい問題がある限り、異性を誉めるのは難しい(kanose氏) 日本の男女が異性を褒めない理由(pal-999…

美人で何が悪い

アボカドが大好きだ。ほとんど毎日のように食べている。 スーパーで見ると大抵一個125円くらいだが、時々100円になっている時は、まだ青味の残っている固いのと、熟成が進んでいるのを混ぜていくつか買って来る。食べごろのやつから食べて、固いのはそのへん…

はてな女子は可愛い

はてな男子ははてな女子のことを「かなり可愛い」と思っていて、きのこの人の絵(たとえばこれとか、最近ではこれとかこれとか)がそういう思い込みに一役買っているというsho_ta氏の記事があったが、実際女性を描く時に可愛く描くのは普通のことだし、絵師…

私は蝶になりたい

例のゴマダラチョウの幼虫のその後。 二匹いた芋虫の一匹は体長五センチくらいまで成長し、一週間ほど前、蛹になった。薄い緑色の蛹である。芋虫の頃はちょっとキモがっていた私も、蛹は動かないので平気だ。 動き回ると言えば、もう一匹のまだやや小さめの…

性的視線への「批判と抵抗」を考える

女らしくしたくない女子 もう話題としては時期外れになってきたので、言及してもよほど興味のある人以外読まないだろうと思うが、少し前、増田(はてな匿名ダイアリーのことをそう呼ぶ‥‥なんで?知ってる人教えて)で、こんな記事が出た。 「女らしくしたく…

女の「男ウケより女ウケ」をめぐって

プロの仕事評価 はてな匿名ダイアリーにて、「女のファッションと男ウケがどうのこうの」という反応があったので、それについて。 まず、なぜこの意見が匿名ダイアリーに書かれるのか、コメント欄というものがあるのになあ‥‥と単純に思うわけだが、誤読され…

すべてのオシャレは男ウケである

同性ウケにおける無意識としての異性ウケ とりあえず言い切ってみてから考察を始めようというわけで、女性にdisられそうなタイトルをつけてみた。最近あちこちで散見したファッションの話題について。 pal-9999氏の主にこちらの記事の中の「女性のオシャレや…

気持ち悪いのはなぜ?

新緑の季節である。 猫の額のような庭に出ていた夫が、小枝を持って入ってきた。 「ジャムの空き瓶か何かないか?」 ほう。新緑がきれいだから、一枝切って飾っておこうと? 柄にもなく気が効くじゃんと思いながら、水を入れた空き瓶を渡した。みずみずしい…

「すべての○○は××である」という言明

挑発性と意外性と説得力 少し前はてな界隈で、<<間接的>>であれば、当然誰もが潜在的に「人殺し」だと思うんだけどなーとか、お前らは間接的人殺しだという記事を巡って議論があった。まだこのあたりのコメント欄で続いているが、これらの言葉が指し示し…

ロシアには行ったことがない

歌声喫茶「ともしび」 この間、大島渚の『白昼の通り魔』(1966)を見た。大島渚は個人的にはもう一つハマれない監督だが、この作品はわりかし有名なのに未見だったので、一応見ておこうと。 冒頭近く、川口小枝という若い頃の杉田かおるそっくりの女優演じ…

憚られる名前

親につけてもらった名前でも、他人から見ると「こんな名前つけられると負担だろうな」とか「ちょっと恥ずかしいだろうな」といったものがある。 かなり前話題になった「悪魔」もそうだが、こうしたネガティブな名前ではない。そういうのでなくて、親のナルシ…

『美しき町』の美しき諦観

恋愛結婚とお見合い結婚 天才マンガ家高野文子の作品集『棒がいっぽん』には、『美しき町』という短編が収録されている。棒がいっぽん (MAG COMICS)作者:高野 文子マガジンハウスAmazon 時代はおそらく、昭和三十年代の終わりか四十年代の始め頃。工場労働者…

デュシャンの『泉』についての会田誠の発言

デュシャン以降も作り続けるという正当性をどう確保したらいいかで、現代のアーティストは頭を悩ませ続けるんですね。 (11日『誰でもピカソ』での発言) アーティストは悩み続けることをアイデンティティとしている、というふうにも受け取れる。 「デュシャ…

ヒステリーを起こす側と起こさせる側

ねえ、答えてよ! 今日私は、久しぶりにヒステリーを起こした。 午後、仕事が休みの夫がふらりとどこかに出かけ、小一時間ほどして帰ってきた時のこと。普段なら「どこ行ってたの?」とわざわざ聞かない。パチンコか本屋か喫茶店くらいしか行くところがない…

土方のバイト

昨日から、夫がまた土方のバイトに行っている。 『101回目のプロポーズ』の武田鉄矢みたいに、私に心底惚れ直してしまって指輪を買うために働いているのではない。予備校の仕事がこの時期暇なので、家でごろごろしているのももったいないし、小遣いもないか…

日本の純愛史 16(最終回)『星の金貨』、マレビトの奇跡 -90年代(2)

九十年代のテレビドラマで目立っていたのは、『ピュア』『ひとつ屋根の下』『家なき子』など障碍者が登場するドラマである。そこでは概ね、障碍者=純粋な心をもった者という設定で作られていた。 純愛ドラマで粘り強く愛を貫こうとするのも、障碍者の方であ…

なぜ売春婦差別をするのか

蔑まれる仕事 そろそろ収束しそうな感じもあるが、議論がなんか込み入ったことになっている(というか、いた。煽り満載で)。たくさんのページにリンクを張るのは大変だし、たぶん全部順番に読む人はいないだろうと思うので、議論に言及して複数のリンクを張…

日本の純愛史 15 『この世の果て』にみる純愛の限界 -90年代(2)

純愛とは、「一身を犠牲にすることをいとわない、ひたむきな愛情」(新明解国語辞典)。 これが思い切りベタに描かれたのが、『高校教師』で一躍名が知れた脚本家、野島伸司の悲劇の純愛ドラマ第二弾『この世の果て』(94年/鈴木保奈美、三上博史、桜井幸子…

日本の純愛史 14 『高校教師』のご破算願望 -90年代(1)

「純愛三部作」の後、純愛ドラマはシリアス路線を強めていく。立ちふさがる邪魔者。越えられない壁。追いつめられ苦しむ主人公。 となれば、『101回目のプロポーズ』が既にそのパターンだったが、コミカルなやりとりで笑いをとったりはしない。タッチはあく…