ケイト・ブランシェットの「手負いの雌ライオン」ぶりに胸がシクシクとなる『ニュースの真相』(「シネマの女は最後に微笑む」更新)

映画から現代女性の姿をピックアップする「シネマの女は最後に微笑む」第7回が公開されてます。


真実とデマの間で抗った女性ジャーナリストの最後のプライド | ForbesJAPAN


今回取り上げたのは、2016年のアメリカ映画『ニュースの真相』。2004年の米大統領選前、ブッシュの経歴詐称を暴き出そうとして陥穽に嵌り、メディア界から放逐された有名女性ジャーナリストの手記の映画化。
ケイト・ブランシェットとロバート・レッドフォートの共演で話題になりました。



実話ですがメディアの内幕ものとしては若干食い足りないところがある分、脚本と俳優の演技でしっかり見せている作品だと思います。何より、男社会で敗北する女の物語ですので刺さります。
自信と決断力に溢れ、やや強引だけれど必ずネタをモノにする、誰もが一目置く切れ者の女性ジャーナリスト。追求心、正義感、仕事で成果を出したい気持ち、いろんなものがないまぜになった中で、ちょっとした油断や慢心が大きなミスに繋がった時、ヒロインは二度と立ち上がれないほどの総攻撃に晒される。


「うわぁ、これは気の毒」と、「でもこの人、ちょっとヤな女だったよね」という気持ちが交錯しますが、ヒロインの内面に「悪い父」と「良い父」がいるとわかるあたりで、ああなるほどなぁ‥‥と。
必死で闘って上昇してきた女性の中に、こういうタイプは結構いるのではないかと感じました。