春一番

春一番どころかそろそろ春本番ですが、何年かぶりに花粉症になってしまった者にはつらいシーズンでもあります。薬を飲むと眠たくなるし。
春一番」と言えば、キャンディーズです。あまりにも有名なアイドル歌謡の名曲。
なんでいきなりその話なのかというと。仕事が春休み中の今日の昼間、ふとテレビをつけたらみのもんたの「思いっきりテレビ」で、すぐさまチャンネルを変えようとしたのだが、「春と聞いて思い浮かべる曲ベスト10」という街頭アンケートの結果発表なるものをやっていて、なんとなく興味をそそられて見た。そのベスト2が「春一番」だったというわけ(1位は松任谷由実の「春よ」、3位は福山雅治の「桜坂」だった。たしか)。
キャンディーズの曲は、「年下の男の子」も「やさしい悪魔」も「ハートのエースが出てこない」も好きだけども、一曲選べと言われたら私は「春一番」です。


まず、イントロの「チャッチャッチャラッラァア〜〜」の蓮っ葉さと派手さにもってかれます。ギタープレイがカッコいい。その間に入る「nパッnパパッ」というラッパがまたカッコいい。んでその疾走感に乗って「雪がアッ溶けて川にイッなあって流れてゆきます」と、母音にポイントを置いたハイトーンのコーラスが入ってくる。この一本調子のまま最後まで同じテンションで突っ走ってしまう。
何だろうこの感じは。このたまらん感じは。せつなくなるほどの前向き感というか。これを可愛い女の子三人組が揃いのフリで歌うんだから、もう最強。車を運転しながら大音量で聴いていると、感動でうっすら涙が出てくる。
あと、この頃の歌謡曲はホーンセクションが随所で活躍していて良いですね。それとニューミュージックの影響なのだろうか、歌詞が「ですます」調でちょっと突き放した感じなのも良いです。


↓ミニがかわいい!脚キレイ!振付けもかわいい! バックの音(特にギター)は若干大人しめかなと。


↓こっちはステージ。上よりややアップテンポで弾けてて、個人的にはこっちの音のほうが好み。男子の歓声がすごい(笑)。



中学、高校生だった70年代、実はアイドル歌謡にはほとんど興味がなかった。いいなあと思い始めたのは、ずっと大人になってから。女の子のキラキラしたものがぎっしり詰め込まれたキャンディーズの、そのキラキラは当時の私にはあまりにもまばゆく、遠いものだった。だいたい名前がキャンディーズである。「キャン‥‥」という音を聞いただけで、「あー私とは無関係の世界がそこにある」ってなもんだ。
でも周囲には結構ファンの子もいて、「ランちゃんスーちゃんミキちゃんの中で、誰が一番好き?」「ランちゃん!」「私はスーちゃん。太めだけどかわいい」などという会話をよく耳にした。ミキちゃんは控えめでやや地味だったのね。
男子の間でも、大きく分けてランちゃん派とスーちゃん派がいた。スーちゃんは文句なしに可愛いが、ランちゃんのフェロモンはただごとではなかった。ビートルズ派(スー)vsストーンズ派(ラン)のようなものだ。ちょっと違うか。友達になりたいのはミキちゃん、スーちゃんは妹、恋人にしたいのはランちゃんということになっていた。いや、ミキちゃんは妻でランちゃんは愛人だったかも。ま、どうでもいいけど。


Perfumeを見ると、なぜかキャンディーズを思い出す。70'の歌謡アイドルと00'のテクノポップアイドルでは当然音や振付けはまるきり違うのだけど、あのまぶしいキラキラ感は似ている気がする。ハイトーンのハーモニーも。女の子二人ユニットというのはよくあったが、三人はあまりないので、つい比べてしまうのかもしれない。
キャンディーズは三人の立ち位置がいつも決まっていたが、Perfumeは決まってない。あえて無理矢理当てはめると、かしゆかがミキで、あ〜ちゃんがスーで、のっちがラン。‥‥特に根拠があるわけではないがなんとなく。妻とか愛人とかは関係ないのでファンの人は怒らないでください。