韓国で出ました

           


左が今日漸く手元に届いた、(韓国では)7月1日発行の『アーティスト症候群』(サムンナンテキ出版社)、右が去年出版された『「女」が邪魔をする』(WORDS&BOOK PUBLISHING CO./韓国版のタイトルは『彼女についてのすべて』に変更されている)。
「アーティスト」の方は、翻訳出版の話があったのが日本で単行本の出た翌年の2009年初めだったが、翻訳者の方がご病気になって入院してしまい、一時中断していたために遅くなった。
「女」は、日本で出た翌年の2010年6月に翻訳出版されているが、光文社の方の内部連絡がうまくいってなかったようで、送られてきたのは今年の7月。
そういうわけで、まとめて書影と表紙をご紹介した次第。



韓国での評判、売れ行き状況はわからない。マンガやアニメはじめ、ファッション雑誌、テレビ番組などは韓国でもかなり日本のものを見ることができるそうだが、日本で出ている書籍はどのくらい翻訳出版されているのだろうか。
「アーティスト」の翻訳者は、多摩美の博士課程在学中に読み、帰国後出版社に勤め、そこで私の本を推薦してくれたという。韓国での若者のアーティスト志向には「芸術家になりたい」というよりは「アートを通して社会的成功を得たい」という欲望が強く、オークションでの高額落札やアートフェアの流行がそれに拍車をかけているとのことで、そういう社会状況の中で読まれるべき本として翻訳に取り組んで下さった。
一方「女」の方はどういう経緯なのかよく知らない。光文社が韓国の翻訳出版社とのルートを持っているのかもしれない。日本以上にジェンダー規範が強そうな気のする韓国で、私の本はどんなふうに読まれているのやら。表紙がオシャレなせいでモテ指南本関係に紛れて埋もれてしまってないといいのだけど(日本版の方も表紙がピンクで可愛いのでそういう憂き目に遭っていたようだ)。


あと細かいことで、両方とも私の名前「左紀子」が「佐紀子」に間違っていた。「女」は表紙カバー見本を見せてもらった段階でチェックできた(その代わり、間に合わなかったのか「左」に差し替えではなく「佐」のニンベンだけ消してあるという措置)けど、「アーティスト」はそういうことがなかったせいか、3カ所載っているうちの2カ所が間違い。
日本人でもちょくちょく間違えて書いてくる(メールとか年賀状とか)が、二つの出版社で揃ってそういうミスがあると韓国でもか‥‥と、少し自分の名が恨めしく。元左翼だった親をもつとこんな漢字を名前につけられてしまうのです。いや間違える方が悪いとは思うんだけどね。
赤毛のアン』の中でアンが、自分の名前はanneというeのついたアンだ、annという綴りはひどく感じが悪くて厭だということをグチグチ言う場面が確かあって、子どもの頃は「へえ、そんなもんかなぁ」と思っていた。それと同じというわけではないが、漢字を使わない国の人にしたら「左」でも「佐」でもそう変わらんでしょという感じがどこかにあるのかもしれない。


残念ながら私はハングルが読めないが、一応どんなものか手に取って見てみたいし、1、2冊手元にあればいいやと思っていたら、それぞれ8冊9冊送られてきてしまいちょっと持て余し気味。
仕事に行っている大学で韓国からの留学生がいたらあげようと思っている(もし欲しい方がいらしたらお分けしますのでメールでお知らせ下さい。メアドはプロフィール欄)。



「女」が邪魔をする

「女」が邪魔をする