(追記)介護とお金と施設

介護ってもう心の底から考えたくない問題 - Togetter入院2年、老親の2000万がなぜ底をついたか:PRESIDENT Online - プレジデントなどを読んで、自分の家のケースについて少し書いておきたい。
父に脳梗塞の後遺症のてんかん発作が頻繁に起こるようになり、母がそれに対応しきれなくなって、すぐにでも父を病院か介護施設に移さないと、父母ともに危ない状態になったのが今年7月初め。父は要介護認定2。料金の安い特別養護老人ホームへの入居は数年待ちなので、それは諦め、父が入院している一ヶ月の間に、病院から紹介された民間の施設を母と叔父がいくつか回った。私もネットで調べてみた。
まず入居金の額が15万くらいから1000万以上まで非常に差がある。後者はかなりのお金持ち向けか、独居老人(又は夫婦共)が家を売って入所するパターンだろう。次に、月々の料金も20万弱から40万くらいまで差があった。部屋の条件、一人あたりの介護士の人数、24時間体制か否か、クリニックを併設しているか否か、その他細かいサービス、食事内容、立地環境などで差がついてくるものと思われるが、一番大きいのは施設の建設自体に掛かった費用ではないかと思う。やはり新しく大きくきれいな施設であるほど高いようだ。
母は最初、父の年金の範囲で月額料金と自分の生活費を賄うつもりでいたが、そのランクの施設は母の気に入らず(曰く、窓の外に見える周辺環境が悪い、部屋があまりきれいでない、消臭剤の匂いがキツかったなど)、結局入居金が50万程度で、月額料金が30万ほどの施設を選んだ。母にしてみると父を施設に預けるのは(やむを得ないこととは言え)一抹の罪悪感が拭いきれない、だから少しでも良いところに入れてやりたいという気持ちが強かったようだ。
その施設の月額料金は父の年金だけでは払えないので、母は貯金を少しずつ切り崩している。もちろんまた医療費がかかる可能性もおおいにある。「あと10年やそこらは何とかなるから。ならなくなったら家を売る。私の分もちゃんと確保しておくからお金のことは心配しないで」と母は言う。私と夫は親に比べて金銭面のゆとりがないので、とりあえず当面の負担費用を払う余裕が親にあるということは、有り難いことである。義父も父と同様公務員で小さいが持ち家があるので、おそらく似たようなパターンになるだろう。親の金がなくなれば自宅介護ということになろう。一応その覚悟はしている。
父の入所している施設には二回行ったが、きれいで広々としてスタッフの人も皆感じが良い。だが、自分たちが将来このようなところに入れるとはとても思えないし、自宅介護されるにも子どもがいない(いてもしてくれないかもしれないし)。私(53歳)がもし平均寿命まで生きたとするとあと30年余り。このままいくと年金も老人医療も破綻し、今よりはるかに多くの貧しい老人が巷に溢れ、一方で介護士は今以上に圧倒的に不足しているだろう。長生きしなくてもいいので、介護が必要になる手前でうまく死ねないかなどと思っている。