WEBスナイパーに連載の映画エッセイ「あなたたちはあちら、わたしはこちら」の第二回がアップされています。今回は「裸になる女」です。
中高年女性が人前で裸になるなんてまずありえないから、それは「心が裸になる」とかそういう意味でしょ? いえ、文字通りの「裸になる」です。
映画は『カレンダー・ガールズ』。主演、ヘレン・ミレン、ジュリー・ウォルターズ。
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冒頭のイラストは、ジュリー・ウォルターズのヌード後ろ姿を脇に、ヘレン・ミレンの顔をクローズアップしています。描いているうちにちょっとメリル・ストリープが入ってきてしまい焦りました。
歯を見せて笑っている顔を描くのは案外難しいですね。特に笑わない役の多い人だと、別人に見えたりします。
ヘレン・ミレンを『コックと泥棒、その妻と愛人』(P.グリーナウェイ、1989) で好きになった人は多いのではないでしょうか。私もそうです。この時既に40代半ばで、心持ち崩れかけた体型を締め付けるゴルチェが最高に似合っていて、凄みのあるクールな退廃美を醸し出していました。最近は威厳のある偉い女や強い女のイメージがありますが、『カレンダー・ガールズ』のような普通のおばさんの役も軽やかにこなせるところが素晴らしいです。
この作品で、ジュリー・ウォルターズ(ハリポタの先生役*1でしか知りませんでしたがいい女優さんですね)はヘレン・ミレンの親友で、控えめな落ち着いたキャラを演じています。それに対して、ヘレン・ミレンの役は軽卒なところもありつつとても前向き。この笑顔を描きたかったのです。いろいろな感情を乗り越えた笑顔だから。
本文を読んだ後でもう一度冒頭に戻って確認したくなる、そういうイラストを目指したいと思っています。どうぞよろしく。
(第一回の紹介はこちらです)