「おばさんになれば“なるほど”」、第六回がアップされています。

サイゾーウーマンに連載中のエッセイ、今回のテーマは「ボランティアな人」です。


中年女性がボランティア活動に励むのはなぜ? “関係性”に発揮される、おばさんの能力


最近は若い人も多いようですが、地方都市の地味な現場では中年女性が主体となっているボランティア。広く他人と関わるその活動において、おばさんはこれまでの日常生活で蓄えた能力を存分に発揮する、その点に絞って書いてみました。
どうぞよろしくお願い致します。



ここから個人的な話。
私はボランティア活動をしていない。したことがない。「手弁当でちょっとお手伝い」程度のことならあるにしても、いわゆる社会奉仕活動と言えるようなものは‥‥‥献血くらいしか‥‥‥あ、一回だけ友だちに誘われてホームレスの炊き出しに行ったことがあったっけ。それも遠い昔のこと。


町内の公園や神社の掃除とか当番として最初から決まっていることは、別にボランティアなんて言わないですよね。
お爺さんが独り住まいしている隣家の、時々歩道にはみ出している庭木の枝を剪定してあげたりするのも、わざわざボランティアなんて言わないですよね。
まして、夫の親の家に通って義父のために食事作ったり掃除したりするのも、ボランティアなんて言わないですよね‥‥‥(あえて言うならシャドウ・ワークか?)。
ボランティアとは、親密圏に近づけば近づくほど、ボランティア性が薄れるもの。


私より夫のほうが、ボランティア意識は高いかもしれない。若い頃からわりと、そういう活動の近くにいたようだ。以前はフィリピンの貧困家庭の子どもの学資支援プログラムに参加していた。東日本大震災の後、陸前高田市の高校のボランティア授業に2回ほど行っている。そう言えば昔、こんなこともあった。

昨日の東京は40度を記録したという。
もともと蒸し暑い名古屋地方も近年になく暑い。そして新潟と福井では、集中豪雨の被害で大変なことになっている。
(中略)
涼しいとこでそんなエラそうな御託を並べている暇があるなら、福井に一走りボランティアに行ってこい!ということであるが、昨夜ニュースを見ていた夫が突然、
「うちにある米全部炊いておにぎり作って、今から福井に行こか」
と大変に殊勝な提案をしたにも関わらず、即座に却下した私である。
「はぁ?なんで?なんで私達がそこまでしなけりゃいけないの。アンタ昔からそーゆうの好きみたいだけど、ボランティアに頼るからますます根本的な解決にならないんだよ。それに今あんなとこ行ってみなさい、アンタのスポーツカー泥まみれになるよ。そんでも行きたかったら一人で行けば」
夫はプロ野球選手がナベツネオーナーを見るような目でこちらを見たきり、黙りこくってニュース画面に戻った。

http://d.hatena.ne.jp/ohnosakiko/20040721/1195984353


そんなわけで、今回は載せる画像が何もありません。