連載エッセイ「絵を描く人々」第3回のお知らせ

WEBスナイパー(18禁サイト)に好評連載中の「絵を描く人々」、今回は「絵が苦手になる子ども」。


絵が苦手になる子ども - 絵を描く人々第3回


子どもの頃は好きで楽しんでいたお絵描きが、なんとなく苦手になる。だんだん描かなくなる。それは当たり前。という話をしています。
第一の理由は、子どもの成長過程における必然。第二の理由は、学校の図工、美術教育の問題。そこには、「学校で描き方を教えるべきかどうか」というテーマも潜んでいます。


画家や漫画家になるわけでもない子どもに、絵の描き方(透視図法や写実表現)なんか教えてどうするの? ‥‥‥これが案外役に立つ。
少なくとも、小学校高学年から高校にかけての美術教育は、あれこれ中途半端にいろんなことをしなくても、絵の描き方と絵の見方をじっくり学べばいいんじゃないかと思ったりします。


今回の挿絵デッサンはフランスパン。このモチーフ、デザイン専門学校で散々描かせたものです。難しかったー。



専門学校で基礎デッサンを教えていた頃の話。
透視図法に従った幾何形態の描き方を教える授業があった。
↓こういうのをホワイトボートに描いて説明する。因に正六面体(と言ってもピンとこない場合はサイコロ型と言う)を描けと言うと、半数が一番上のような図を描く。


これをだいたいマスターして、見なくても描けるよねとなった後で、「シルエットが↓こういう形になる形態を想像し、立体的に描く」というのをやったことがあった。


思いつく限りのパターンを描かせる(出てきたのを思い出して描いた↓)。
左のはあんまり考えてない。だいたいここから始まる。右のは少し考え出した例。右のような発想に行った学生は、次々工夫したのを描き出す。


一番笑ったのはこういうの。逆転の発想。


そんなに技術のない学生に、「描くのは面白い」と思わせるには、「考えることが面白い」と思わせる必要がある。