連載更新のお知らせ二つ

後期の始まり第一講目から、授業の時間を間違えるという大ポカをして落ち込んでいる大野です。初対面の100人の学生さんに平身低頭‥‥。おまいさん何十年この仕事してんだよ。
webの二つの連載が更新されていますので、お知らせします。

大人の女の「友だち地獄」

年上女が若い女に“友情”を強いるとき––––『あるスキャンダルの覚え書き』、女友達への欲望|サイゾーウーマン


しみじみ底冷えのする物語。対照的に描かれてはいますが、ジュディ・デンチが演じるベテラン教師も、ケイト・ブランシェットが演じる新任教師も、基本的に寂しい、他人の若さで自分の寂しさを紛らわせたい女だと思います。
でもまあ厄介なのはジュディ・デンチの役柄のほうでしょう。こういう、自分がいかに相手にとって重要な存在かということを明に暗に押し付けてくるタイプ、年輩者では珍しくないかもしれません。



かなり年輩の女性で、少し丁寧にお話を聞いていると、どんどん話が熱を帯び長くなり、しまいにまるで友人のような態度で接してくる人がたまにいます。
言っていることは特別面白いわけでもなく、特別含蓄があるわけでもない。たぶん何度も同じ話をあちこちで繰返している。だから彼女の周囲の人は無視するか、いい加減にしか相手にしないのでしょう。そこで他人を捕まえて喋るのです。
年輩者だから、こっちは一応相手を立てています。でも自身の話が、相手にとって聞くに値する内容だ、相手が面白いと思うはずだと微塵も疑っていない様子に、内心うんざり。こうならないよう、自分も気をつけなくてはと思います。

「リアルに描けたらな」という煩悩

絵を描く人々 第6回 演出と詐術の世界にようこそ - WEBスナイパー


具象的な絵を描く人々の多くが直面するだろう、最大の問題について書きました。昔のブログ記事から再構成し加筆しています。


ここに書いた「演出と詐術」をマスターすると結構楽しいし、超リアルで細密な絵、あたかもそこに現実の空間があるかのような絵に素直に感心する人も多いので、嬉しくなってどんどん描いたりする。
もちろん再現に関しては写真が肩代わりしているし、お絵描きアプリを使って写真にタッチやぼかしを加え、描いた感じにすることもできます。それでも、自分の手で見えた通りに描きたい、リアルに描けたらなという人の欲望がなくなることがないのは、面白い現象だなと思います。