幼いお子さんについて時々呟かれているid:white_cakeさんのtweet。
むすめ、寝かしつけ中すぐに「あついい」と半べそになるくせに、「暑いなら掛けなくていいよ」とい言っても毎回布団を自分で引っ張り上げて掛け直し「あったかーい」と言う。冬の間布団を掛けて「あったかいね」と話しかけていたから、寝るとはそういうものだと思ってるんだろうな。
— 城伊景季 (@white_cake) 2017年5月22日
「こういう場合はこうするんだ」と、その行為を意味内容抜きで覚えた子どもが、早速それを実行する。子どもは決まり事が好きなのだと思う。
私は子どもがいないが、母から聞いた話を思い出した。
面白い>RT ちなみに幼い頃の私は、布団を掛けて貰った上から母が「トントントン」と言いつつ胸を軽く叩いてくれる儀式で眠りについていたが、生まれたばかりの妹に母がかかり切りになって以降は、自分で「トントントン」をやって寝ていたらしい。2歳の私にとって就寝とは「トントントン」だった。
— 書籍 あなたたちはあちら、わたしはこちら (@anatatachi_ohno) 2017年5月22日
それ以前だったか、寝る前にお話の本を読んでもらっており、今日はこのまま寝そうだからお話は無しねと母が思っていると、急に目を開けムックリ起きて本を取ってきて何十回も聞いたのを母に読ませ、疲れてて早く終わらせたい母が微妙にはしょったりすると「ちがうよ」と指摘するヤな子だったらしい。
— 書籍 あなたたちはあちら、わたしはこちら (@anatatachi_ohno) 2017年5月22日
二番目のtweetにいくつか反応があり‥‥
寸分違わぬ幼児体験を持つ方がいらっしゃって驚きました。 https://t.co/8q2jOLo4nv
— つめ (@erico763409641) 2017年5月22日
母が、はしょって「お姫様は笑いました」などと読むと「違うでしょ!ホホホ、と笑いました、でしょ!!」などと、鋭い声で指摘するような子どもだったらしい。
— つめ (@erico763409641) 2017年5月22日
私もそんな子どもだった。そして50をとうに過ぎても、いまだに母は思い出したようにそのことに文句を言うのだ。
— 内藤美和 (@NAITOMiwa) 2017年5月22日
RT:私も幼児時代、疲れた母が読まずにすませようと「今日はお母さん読み方、忘れちゃった」と逃げを打ったら、「じゃあ読んであげる!」と一字一句たがわず暗誦し(当時まだ本当は文字は読めない)、その後「はい、お母さん、分かった? じゃあ読んでね!」と言い放ったらしいです。
— ならの (@youyeshangmei) 2017年5月22日
皆さん、同じようなことしてたんですねぇ(笑
案外普遍的な現象だったりして‥‥>RT
— 書籍 あなたたちはあちら、わたしはこちら (@anatatachi_ohno) 2017年5月22日
子どもは、決まりきったことが好きなんですよね。ある意味、大人以上に保守的。
まあでも、よく知っていることの繰返しに快楽を覚えるというのは、大人になってもあるかもしれないな。
「あったかいね」も「トントントン」も子どもにとっての決まり事であれば、親が読み聞かせるお話の文言も大事な決まり事。それを自分の中にしっかり刻み付けているから、異変や逸脱に敏感になるのだろう。子どもは妙なところで頑固で融通が効かない。
睡眠は小さな死だという。愛し合った後の昏睡を指して「プチ・モール」とフランス人が言ったのが始まりらしい。セックスでなくても、エネルギーを出し切った後の眠りは死に近い。
終日全力で活動した後の小さな死を前に子どもは、「何もかもがいつも通り。お母さんのお話も寸分違わずいつも通り」という安心の確認をして、眠りにつきたいのだと思う。
そんな子ども時代は短いし、自身が日々成長して変わっていくのに、子どもは「何も変わりませんように」と願っているのである。*1
ちなみに大人になってからは大抵、エッセイなどの比較的軽い本を読みつつ寝る。既読のもの中心。すべてがあまりにも早く変化していく中で、寝る前くらい「寸分違わずいつも通り」を確認し安心したいのかもしれない。
今は就寝前、仰向けで本を読んでいるが、だんだん眠くなってきて覚えがなくなりそのうち本がバサッと顔の上に落ちて「イテッ」となって消灯して寝る。
— 書籍 あなたたちはあちら、わたしはこちら (@anatatachi_ohno) 2017年5月22日
*1:そう言えば、母親もいつか年老いて自分より先に死ぬと知った時、しばらくの間は布団に入ってから「お母さんが絶対におばあちゃんになりませんように」という理不尽なお願いを神様にしていたことをぼんやり思い出した。