今改めて観る『告発の行方』(「シネマの女は最後に微笑む」更新)

時事的話題に絡めて現代女性の姿を映画からピックアップする連載コラム「シネマの女は最後に微笑む」(ForbesJAPAN)第二回がアップされています。


世界に広がる「MeToo」、映画から考える性暴力への「あるべき救済の姿」とは*1


今回取り上げたのは、『告発の行方』(1988、米)。原題は『The Accused』(被告人)
ワインスタイン騒動を発端とするこの話題からすると、もっと新しい作品で、職場のセクハラに対して闘った女性の物語『スタンドアップ』(2005/シャーリーズ・セロン主演の実話を元にしたドラマ)が相応しかったかもしれませんが、セクハラ騒動よりレイプ告発の方を焦点化したかったので、この映画を取り上げました。記事の枕で伊藤詩織さんの告発に触れたのもそのため。


告発の行方 [DVD]

告発の行方 [DVD]


告発の行方』は、公開当時はジョディ・フォスターの”挑発的なダンス”がやたらと話題になっていましたが、実質は告発者の苦悩とセカンドレイプも含めた周囲の反応、そして裁判の経過を、初めて真っ向正面から描いた佳作です。
30年近く昔の作品ですが古さは感じさせません。そのことが、性犯罪をめぐる問題の根の深さを表しているようです。


原稿を出した後で、伊藤詩織さんの件について真相究明のため超党派の議連が作られたというニュースがありました。「告発の行方」を注目したいと思います。

*1:「性暴力への」ではなく正しくは「性暴力被害者への」ですが、まあ通じるだろうということで短くなりました。