『マダム・イン・ニューヨーク』に見る主婦の学び(「シネマの女は最後に微笑む」更新)

時事的話題に絡めて現代女性の姿を映画からピックアップする連載コラム「シネマの女は最後に微笑む」(ForbesJAPAN)第三回がアップされています。


「学べなかった女」を勇気付ける、自尊心回復のストーリー | ForbesJAPAN


「学び」をテーマに、最近のインド映画のヒット作『マダム・イン・ニューヨーク』を取り上げています。英語が喋れないインド人の主婦が、一人で初めて行ったニューヨークで試行錯誤するドラマ。結構話題になったので観た人も多いのではないでしょうか。



脚本が良いのと、主人公のシュリデヴィという女優さんの演技が素晴らしく、英会話教室の先生も生徒たちもキャラ立ちしていて楽しいです。もちろんミュージカルシーンも。基本、コメディなので悪い人は出てきません。
また、ニューヨークを主な舞台にしたことで、さまざまな人種、国籍の人が描かれているばかりではなく、同性愛者もごく自然に登場しているところがいいです。笑いに包みながらも、いろいろな細部に丁寧にスポットを当てているところに好感がもてます。


初めての海外、通じない言葉、滑稽な自分の振る舞い‥‥‥という点は私にも覚えがあり、苦笑しつつ共感をもって観ました。幾つになっても真摯に学ぶことで世界が開けていく。勇気づけられる作品です。
そして、主婦という立場に押し込められがちな女性の葛藤や愛情や洞察も見事に描かれています。最後は涙せずにはいられません。未見の方は是非!