ジュリア・ロバーツの真骨頂を再確認、『エリン・ブロコビッチ』(「シネマの女は最後に微笑む」更新)

映画から現代女性の姿をピックアップする連載「シネマの女は最後に微笑む」第14回。ジュリア・ロバーツが数々の主演女優賞に輝いた『エリン・ブロコビッチ』(スティーブン・ソダーバーグ監督、2000)を取り上げてます。学歴もキャリアもない女性が企業の不正と闘い、史上最高額の和解金を勝ち取る実話ドラマ。


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ジュリア・ロバーツが演じるヒロインの、陽気で鼻柱が強く破天荒だが粘り強いキャラクターがとても魅力的ですが、再見して、恋人を演じるアーロン・エッカートが地味にすばらしいと思いました。ヒロインに惹かれ、彼女を懸命にサポートするものの、だんだん寂しさと不満が募っていくバイカーの男を自然な感じで演じていて好感がもてます。
また前回の『スタンドアップ』と同じく、「シングルマザーが巨悪と闘う一方で、幼い長男との関係が一時的に悪化し、最後の方で恢復する」という展開もいい。子どもは一番身近にいて一番負担をかけたくないのに、結果的にどうしてもそうなってしまう。しかし子どもも成長し、やがて母を理解しようとするのです。


この作品は、『ベスト・フレンズ・ウェディング』『モナリザ・スマイル』と並んで、私の中ではジュリア・ロバーツ主演作ベスト3です。後の2作は数年前に、サイゾーウーマンのコラム「親子でもなく姉妹でもなく」で書いております。


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