プリンセスもののセルフパロディ『魔法にかけられて』(「シネマの女は最後に微笑む」更新)

昨夜は東海道新幹線で恐ろしい事件がありましたが、後続の便に乗っていた関係で巻き込まれるかたちになり、夜中というか朝方の3時半にやっと家に辿り着いた大野です。一日遅れで連載「シネマの女は最後にほほえむ」更新のお知らせを。


ディズニーのミュージカル・コメディ『魔法にかけられて』(2007)。ここ3回、子持ちのシングルマザー奮戦ものが続いたので、ぐっと毛色を変えてみました。話の枕は例のロイヤル・ウエディングとさまざまな「結婚の条件」です。ほぼラストまでネタばれしていますので、未見の方はお気をつけ下さい(まあわりと最初の方で結末は見えていますが)。


理想の相手とは結ばれない? 映画にみる「結婚の条件」への皮肉|ForbesJAPAN


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ディズニー・プリンセスもののセルフパロディ満載の本作、細かい自虐芸とミュージカルシーンの楽しさで、公開当時、結構話題になりました。
ヒロインのジゼルを演じるエイミー・アダムスは、3回前に取り上げた『ビッグ・アイズ』でも主演をしていますが、こういう天然の役が嵌りますね。あと、リスのキャラクターに笑わされます。個人的にゴキブリのシーンは苦手ですが、こういう「厭なもの」が入っているところが面白い。


「いつか王子様が」を夢見る女が徐々に自立性を学び、現代的女性が実はとてもロマンチストだったというオチも、考えさせられます。
本文では言及していませんが、相手の弁護士ロバートの幼い娘モーガンが、最後はやっぱりプリンセスに憧れるような女の子になっているのが少し残念というか、もうちょっとバランスとっても良かったのでは?という気もします。ただそれも、この作品にたっぷり仕込まれている「皮肉」の一つとして描かれているのかもしれません。



●付記
アラーキーとモデルのKaoRiさんの件を枕にした『ビッグ・アイズ』を取り上げた回が、50000pvを達成しインセンティヴの対象になりました。
お読み下さった皆様、ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。過去記事へは、テキストの最後のリンクからとべます。