シミジミした味に毒の仕込まれた『すーちゃん、まいちゃん、さわ子さん』(「シネマの女は最後に微笑む」更新されました)

現代女性の姿を映画からpickupする「シネマの女は最後に微笑む」第18回がアップされています。
先月末、物議を醸し批判を呼んだ自民党二階幹事長の発言を枕に、3人の30代独身女性の生活と心情を淡々と描いた邦画『すーちゃん、まいちゃん、さわ子さん』(御法川修監督、2013)を取り上げました。それぞれ、柴咲コウ真木よう子寺島しのぶが演じています。


「もう男には期待しません」 ほっこり系独身者ドラマの妙味 | ForbesJAPAN


※本文、いきなり無関係の外国人女性の写真が添えられていますが、「映画関連画像がフォトストックになく、イメージ画にしております」(by編集者)とのことです。
柴咲コウを、柴崎コウと書いていた! しかもそのまま通っていた‥‥。直しは少し後になります、すみません。



益田ミリの漫画が原作のこの作品、なんとなく自分の苦手な感じかもしれないなと敬遠していて、今回DVDで初見。
最初のうちは「うーん、ほっこり系かぁ」と思っていたのですが、登場する男たちがことごとく残念な人だったとわかってくるあたりから、じわじわ面白くなってきます。
特に、井浦新が演じる、基本的には優しい人だけど空気が読めず、鈍感さで知らず知らず女を傷つけるちょっとずれた男が、なかなかにリアル。
あと、年上女性にマウンティングしてくる若い女性とか、女同士のこういうコミュニケーションに疎い私も、観ていて「うわぁ」となるものがありました。30代女性にとっては、「あるあるネタ」だらけのようです。一人で観るより友人たちとツッコミ入れながら観るのが楽しそう。


まあわざわざ映画にするより、普通にドラマでもいいかなという感じはあって、画面作りもわりと平凡ではあります。細かいところで、主人公たちの味わう辛さや苦さにどのくらい共鳴できるかで、観た印象は変わってくるでしょう。
一応前向きな感じで終わるのですが、私は、寺島しのぶが演じたさわ子さんが救われないように見えて何かなぁ‥‥という気分が残りました。