映画から現代女性の姿をpickupする連載コラム「シネマの女は最後に微笑む」第30回は、アルゼンチンを舞台にした『オリンダのリストランテ』(パウラ・エルナンデス監督、2001)を取り上げました。
一見地味な風合いの作品ですが、観ているうちにじわじわと、本当にじわじわと沁みてくる佳作です。
言葉も世代も越えて、人生の後半に巡り会う「疑似家族」- ForbesJAPAN
※使える写真がなかったということで、画像は無関係のものになっています。
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ブエノスアイレスで小さなレストランを切り盛りする、一人暮らしのイタリア系移民の中年女性と、旅行者のドイツ人青年の偶然の出会いから物語が始まります。言葉の壁もある中で、互いの立場に共通するものを見出し、徐々に心が通っていく過程がユーモアを交えて描かれています。
周囲の人々も、皆、なかなか味わいのあるキャラクターです。主要な男たちが基本的に「受け」の姿勢であるところも面白い。血の繋がらない異民族の「息子」に大切なものを託すというところは、『グラン・トリノ』を思い出したりします。
こういう作品は日本で作れないのだろうかと、ふと思います。日本人と外国人の関係を描いた作品はいろいろあると思います(今、ぱっと思い浮かぶのは『月はどっちに出ている』、『あゝ、荒野』)が、外国人労働者が増えている現在、異邦人×異邦人の物語があっても不思議ではないですね。もしご存知の方がいらしたら、教えて下さい。