シャーリーズ・セロンのプロ根性に驚く(「シネマの女は最期に微笑む」更新されてます)

映画から現代女性の姿をpickupする「シネマの女は最期に微笑む」第40回は、シャーリーズ・セロン主演の『タリーと私の秘密の時間』(ジェイソン・ライトマン監督、2018)。


ワンオペ育児の苦境を、主婦はどうやって乗り切ろうとしたか - ForbesJAPAN

 

 

 一人の女性がワンオペ育児でいかに壊れていくか‥‥はよく描かれているし、「タリー」が登場してからのどこかミステリアスなムードも悪くないですが、作品としてはやや食い足りない印象が残ります。
ワンシーンだけ登場する女友達ヴァイは後々、ヒロインにとって結構重要な存在だったことがわかるのだけど、彼女との関係性が、短い回想でもいいので具体的なシーンとして描かれていたら、終盤もっと胸に迫るものがあったのではないかと思います。

ヒロインの意識に焦点を絞っているためか展開がわりと単線的で、背景の肉付けが薄く感じられるのが残念。


そういう細かい不満を補うのは、シャーリーズ・セロンの好演です。いつも役ごとに体型を作り変えて驚かされますが、この疲弊した主婦マーロの役作りに伴う”肉体改造”、『モンスター』以来の衝撃でした(テキストの合間に、喉やお腹周りに肉のついた劇中の画像と、しっかり元に戻したプレミアの画像が入ってます)。
タリーを演じたマッケンジー・デイヴィスがとてもチャーミング。