映画から現代女性の姿をpickupする「シネマの女は最期に微笑む」第41回は久々の邦画です。
キム・カーダシアンの例のKIMONO騒動を枕に、着物、お茶つながりで樹木希林と黒木華が共演した『日日是好日』(大森立嗣監督、2018)。
今わからなくてもいつかわかる。師から教わるお茶と人生の妙味 - ForbesJAPAN
(画像はイメージ)
原作は、森下典子のエッセイ「日日是好日─『お茶』が教えてくれた15のしあわせ」。一人の女性の約二十年に渡る歳月が、シーンごとの季節の移り変わりの中で、水彩画のようにスケッチされています。
雨など自然の水の描写、水の音が印象に残ります。水(湯)を使う茶道でも、密やかな水の音が。水音の映画と言ってもいいくらいです。
もちろんお茶のシーンもたっぷり。これを観て「お茶やってみたいな」と思う人はいるのではないでしょうか。
比較的地味な小品といった感じですが、お茶の師匠を演じた樹木希林の台詞の端々から覗く深い知見と含蓄に、時折はっとさせられます。
主演の黒木華、少し屈託を抱えた役をうまく演じていますが、ずっとロングヘアなのを最後の方、ショートのカツラで出てくるのが残念。明らかにカツラとわかるので。あそこは着物だし、ロングのまま後ろでまとめるヘアにしてほしかったです。それで20代の頃との違いはちゃんと出せると思うんですよね。
あと、従姉妹役の多部未華子がなかなか良いです。
樹木希林は役柄らしく、地味目な無地や小紋の着物で登場。とても自然で楽そうで板に着いた着姿、密かに目標にしたいです。
希林さんの普段の着物はまた個性的で全然違っていたのを、雑誌などで時々拝見しました。来月出る『樹木希林のきもの』が楽しみ。