「錆と骨」の方がずっといいタイトルだが邦題は「君と歩く世界」(連載更新されています)

先月下旬はお盆でお休みだったわけではないです。バタバタしておりまして、告知をすっかり忘れてました。

このブログ、連載のお知らせだけになったとは言え、また読んでいる方も少ないとは言え、一ヶ月も放置はよくないですね。すみません。

 

映画から現代女性の姿をpickupする「シネマの女は最後に微笑む」第44回は『君と歩く世界』(ジャック・オーディアール監督、2012)を取り上げています。

 

 

原題はDe rouille et d'os。英題はRust and bone。この「錆と骨」の方が、「君と歩く世界」よりこの作品の世界観を正確に表していると思うのですが、どうして邦題はこういうフンワリ系になってしまうのか。

 

ところで今回は例外的に、男性が主人公です。シングルファーザーの失業者を演じるマティアス・スーナールツの、繊細な演技が見所。幾分粗野で優しいところもあるが愛を知らない男の、徐々に哀しみを醸し出してくるあたり、非常にいいです。

クレジットでは、大女優となったマリオン・コティヤールの方が先になってます。もちろんコティヤールも文句なしに素晴らしい。

 

出会っているのに微妙なところですれ違ってしまう男女の物語を通して、「身体とは?」という問いかけが浮かび上がってきます。

結構ハードな場面もありますが、南仏の光に溢れた映像とダイナミックなカメラワーク、意表を突く展開に引き込まれます。おすすめ。

 

君と歩く世界 [DVD]

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