連載「シネマの女は最後に微笑む」第54回は、『マイ・プレシャス・リスト』(スーザン・ジョンソン監督、2016)を取り上げています。『Gifted/ギフテッド』(マーク・ウェブ監督、2017)も同じく天才児を扱った作品でしたが、こちらはその天才児の行く末としてより当人に焦点を当てたもの。頭が良すぎるために周囲と軋轢を起こす少女の成長物語。
主人公を演じるベル・パウリーがキュート。所詮は、そこそこお金持ちのお嬢さんで自分の頭脳の使い途がわからなかった人の自分探しだよね‥‥という見方ができなくもない設定を、本人の少し天然の入った三枚目なキャラでうまくカバーしています。
彼女を取り巻く大人たちもそれぞれの問題を抱えているというわかりやすい構図ですが、この作品から読み取れる個人的に最大のポイントは、「室内で男と向かい合っていても何も始まらない。それより窓の外で何かやってるうるさい奴に注目せよ」です。