『マイ・ブックショップ』に見る志の継承(連載更新されました)

週末バタついて告知が遅れました。

「シネマの女は最後に微笑む」第62回は、「非常事態」下の書店の状況を枕に、『マイ・ブックショップ』(イザベル・コイシェ監督、2017)を取り上げてます。

 

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舞台は1959年のイギリス海岸沿いの小さな町。一人の女性が、さまざまなハードルをクリアして書店を立ち上げる。お客さんも徐々に入り始める。

ほのぼのしたハートウォーミングなドラマかと思いきや、後半ちょっとキツい方向に展開してゆき、「あーあ、とうとう‥‥」と思った最後の最後で突如明らかになるのは、ある純粋で破壊的な意思表示。度肝を抜かれます。

その驚愕は、深い納得と感慨と感動に。

 

 映像が非常に美しく、自然の描写から建物、室内、ファッションなど見所がたくさん。役者もいいです。読書家の偏屈老人を演じるビル・ナイ、素敵。

コロナ禍で様々なお店がひっそり廃業していく中、「場」の継続と志の継承について考えさせられる、今改めて観たい作品。超おすすめです。