3回の法事のシーンの意味するものは・・・『海街diary』

完全にこちらでのお知らせをした”つもり”になっていました。遅れてすみません。
連載「シネマの女は最後に微笑む」第69回は、久々の邦画で『海街diary』(是枝裕和監督、2015)を取り上げています。

 

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原作の漫画の中のエピソードをピックアップしてまとめてありますが、それにしても、一本の映画の中に三回も法事のシーンを入れた作品も珍しいと思います。もうそれだけで「死」がクローズアップされてきます。
漫画が圧倒的に名作なだけに、比較すると若干の物足りなさは感じられるものの、死者の存在によって生の輪郭が浮かび上がるドラマとして観直してみました。

 

冒頭近く、佳乃が朝、恋人の住む海沿いのマンションから出てきたところで流れる音楽が、『ベニスに死す』に使われたマーラー交響曲第5番・第4楽章アダージェットに雰囲気が似ています。特に出だし。

「死」つながり、なのかなとも思います。漫画になくて映画にあるものの筆頭は音楽(劇伴)なので、意識的に選択されているのかもしれません。

 

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