ブラックな笑いが満載の犬も食わない『おとなのけんか』(連載更新されました)

「シネマの女は最後に微笑む」第72回は、『おとなのけんか』(ロマン・ポランスキー監督、2011)を取り上げてます。誰も「最後に微笑」まないけど、アイロニーに満ちた非常に面白い作品ですね。

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元は舞台で脚本が秀逸。子供の喧嘩で片方が怪我をした‥‥そこから始まる被害者両親と加害者両親の話し合いが、次第に泥沼に。最初は互いに牽制し合い気取っていたものの、次々と思わぬ綻びが。
ジョディ・フォスタージョン・C・ライリーのリベラル夫婦と、ケイト・ウィンスレットクリストフ・ヴァルツネオリベ夫婦の対比の中で、徐々に浮かび上がる夫婦問題の描写も、実に皮肉が効いています。

失笑する場面多数。9年前の作品でありながらまったく古さを感じさせずリアルです。
特にJ.フォスターとK.ウィンスレットは、よくこの厭な役を堂々と演じ切ったなと感心。


テキストでは三つの対立関係を抽出して整理しました。読んでから見ても十分楽しめます。
未見の方は是非!