『パーマネント野ばら』と『ライド・ライク・ア・ガール』(連載更新されています)

「シネマの女は最後に微笑む」第86回と87回のお知らせです。


◆『パーマネント野ばら』(吉田大八監督、2010)

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港町に生きる三人の女性の姿を通して浮かび上がる愛と哀切。第三者的叙述の中に、主人公視点を巧みに取り入れた演出。個人的には原作より好きです。再見して、笑ってちょっと泣きました。
主人公の秘密についてはテキスト後半で軽く触れますが、知っていて見るとなお一層味わいの増す作品かと思います。未見の方は是非。


先月NHKあさイチ」に出演し、子育ての大変さを語っていた菅野美穂を見ました。ひと段落ついたらまた活躍してほしいな。

 


◆『ライド・ライク・ア・ガール』(レイチェル・グリフィス監督、2019)

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2015年に女性で初のメルボルンカップを制した騎手の実話ドラマ。ケレン味のない演出で、女性差別に対するヒロインの鬱屈も過剰に焦点化されることなく、却って彼女の強さを際立たせています。
オーストラリアの自然や馬たちを捉えるカメラワークが秀逸で、瑞々しく美しいシーンがいくつも。
そして父親を演じるサム・ニールが渋い。素晴らしい俳優だなと改めて思いました。