『マダム・マロリーと魔法のスパイス』と『フェアウェル』(連載更新されました)

いよいよ梅雨が明けましたが、まだなんとなくスッキリしませんね。
「シネマの女は最後に微笑む」第88回と89回のお知らせです。


◆『マダム・マロリーと魔法のスパイス』(ラッセル・ハルストレム監督、2014)

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ヘレン・ミレン演じるマダム・マロリーが「魔法のスパイス」で傾きかけたレストランを立て直す細腕繁盛記‥‥ではありません。原題はThe Hundred-Foot Journey(100フィートの旅)。あるフレンチレストランとその前にできたインドレストランの距離が100フィートなんですね。
若きインド人シェフの成長物語を軸に、フランス/インドのさまざまな距離、対立、和解、調和が描かれる。もちろんヘレン・ミレンはフレンチレストランのオーナーという、重要な役どころ。とても面白いです。

 

◆『フェアウェル』(ルル・ワン監督、2019)

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 ラッパーとしても有名なオークワフィナが主演。祖母へのガン告知をめぐり、祖国中国と西洋的価値観の間で悩む女性を中心に、さまざまな家族の像が描かれるコメディ。
非常によくできた脚本で、オークワフィナ初め俳優陣も好演。思わず笑ったりホロリとなったりさせられながら、日本人にも深く関係する古くて新しいテーマがじんわりと浮かび上がってくる秀作です。おすすめ!