新連載「シネマの男 父なき時代のファーザーシップ」のお知らせ

お待たせしました! 

 

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新連載「シネマの男 父なき時代のファーザーシップ」が始まりました。
第一回目は『そして父になる』(是枝裕和監督、2013)を取り上げています。
少し長めの前振りに、男でも親でもない私が「父」をテーマにした理由を書きました。是非お読み下さい。

 

以下少し補足的に。
昨今のリベラル的な風潮の中で、「父」というテーマは保守的と捉える向きもあるかもしれません。「有害な男性性」の問題視によって男性性の中の支配的、暴力的側面を取り除いていこうという動きもあり、強い父や強い父性など「父親的なもの」はますます時代遅れとなっていくと思われます。
もはや「父なる者」はいないのだし、その方がいいという考え方もあるでしょう。サブタイトルの「父なき時代」はそういう現代を示しています。

しかしながら、良くも悪くも人は、「父」や「父なる者」と一度はぶつかる必要がある、ぶつかることでなんとか大人になっていく、と私は考えています。

 

また、「父」は社会においては「法」や「規範」となって現れますが、それは必ずしも絶対的なものではないことを私たちは知っています。
家庭内の父も同様です。それでも表向きは、「お父さんは正しい」をやらねばならない立場、「知っている者」として子を一度は転移させるのが、父の役割だと思います。

 

ところで、この連載では久々にイラストも担当しております。
毎回、役を演じる俳優の顔をメインに、ポイントとなった小物などを配しています。なるべく似せようとクソ真面目に描くだけで個性のない絵ですが、ドラマの中の父親像を思い浮かべながら、テキストと共にお楽しみ頂けましたら幸いです。

毎月第三土曜午後6時更新です。
どうぞよろしくお願い致します!

 

今のところ30本ほどの作品リストを作っていますが、前の連載でもそうだったように基本的にネタバレに配慮しません。ですのであらかじめ次回に取り上げる作品を予告しておいた方が、「見てから読みたい」人には親切かなと思います。
次回は『リトル・ダンサー』です。あのお父さんにスポットを当てます。