「シネマの男」第2回は『リトル・ダンサー』です

連載「シネマの男 父なき時代のファーザーシップ」、更新されました。

第2回は、『リトル・ダンサー』(スティーブン・ダルトリー監督、2000)を取り上げています。

forbesjapan.com


トランジェンダーのマイケル、ビリーとウィルキンソン先生の娘との関係など、セクシュアルマイノリティや性の目覚めも重要なモチーフとなっていますが、連載の狙いに沿って父と子の関係に絞りました。

最後に登場する25年後のビリーを演じるアダム・クーパーが主演した『白鳥の湖』は、同性愛がモチーフになってますね。マシュー・ボーン版の舞台『白鳥の湖』、見た後はしばらく頭を離れませんでした。

再来日の名古屋公演(2005)について、このブログ記事の後半で書いています。

ohnosakiko.hatenablog.com

 

リトル・ダンサー』のミュージカル版である『ビリー・エリオット』を撮った同名の映画も素晴らしいです。こちらでは『リトル・ダンサー』よりも、亡き母との関係やサッチャー政権下の労働争議がクローズアップされています。

感想記事はこちら(一部の記述をforbesjapanの記事に使ってます)。

ohnosakiko.hatenablog.com


本文には書きそびれましたが、25年後、トップダンサーとなったビリーの晴れ舞台を見に、長男トニーに連れられて上京する老いた父ジャッキーの、地下鉄の上りエスカレーターに後ろ向きに乗っている姿が泣けます。
長年炭鉱夫で地下へと”降りていく”姿が印象的だった父が、初めて”上っていく”場面です。年老いて様々な認知も弱まり、ビリーのスクール面接から25年ぶりに来た大都市ロンドンの速度に、彼は到底ついていけません。そのことが、上りエスカレーターなのに後ろ向きに立って茫然自失となっている姿で表されている。それは同時に、過去を振り返っている老人の姿でもあります‥‥。

記事の最後のページに、お父さんを演じたゲイリー・ルイス(2015年撮影)の画像を入れて頂きました。渋カッコいいです!

 

第3回では、クリント・イーストウッド監督、主演の『グラン・トリノ』を取り上げます。「主人公をめぐる二つの暴力に関する話」という観点から書く予定。3月19日公開です。