「シネマの男」第6回は、ケヴィン・スペイシー主演の傑作『アメリカン・ビューティ』

「シネマの男」第6回は『アメリカン・ビューティ』(サム・メンデス監督、1999)を取り上げてます。

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サム・メンデスはこの監督デビュー作で、アカデミー監督賞、ゴールデングローブ賞 監督賞を受賞。
他に『ロード・トゥ・パーディション』、『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』、『007 スカイフォール』など、明暗の美しい引き締まった画面にスタイリッシュな演出で人間の病の部分を突っ込んで描く、個人的に大好きな監督です。

編集者の人が、「この映画を大学生の時に見た時は気持ち悪いと思ったが、このテキストを読んでいろいろ腹落ちし、浄化された気分になった」と言って下さいました。
確かに公開当時、娘の友人への主人公の妄想ぶりが「キモい」と話題でしたが、ドロドロしないクールなタッチの中に、ブラックな笑いも込められ、傑作です。

俳優もいいですね。娘役のソーラ・バーチはこの作品で注目されましたが、美人の友人に抱くかすかな鬱屈をよく表現しているなと改めて感心。見ていて、なんだかオバQに出てくるP子に似てると思いました(古!)。可愛いです。
もちろん、ケヴィン・スペイシーの、滑稽さとひんやりした諦観の同居した演技の素晴らしさは言うまでもありません。
ご本人はあんなことになって非常に残念ですが、ファンなのでいつか復帰して頂きたいなぁと思っています。