絵を描く人々 第14回 色についてのいろいろな悩み - WEBスナイパー*1
ものの形がそれなりに描ける人が、絵を描く中で悩んだり迷ったりすることの筆頭は、配色問題。‥‥‥ではないか?
ものを見て写実的に描く場合は、そう悩みません(いや、実際は悩むこともあります。例えば、人の顔にできた影を何色にしたらいいかとか)。
自由に構想して絵を作っていく場合、どういう色使いにするかは一番の考えどころ。色の与える第一印象は決定的なものがあります。構図もデッサンも決まったけど色が今いち、となった時の残念感たるや。
ところで通常、目に映る色は物質を伴っています。デジタル画面の色(光)さえ、スマホやパソコンの化学強化ガラスという物質を通して見ています。
色は常に物質と共にあり、お絵描きはもともと、その物質で遊ぶことでした。物質だから、思いがけない出来事が起こるのです。それが失敗か成功かはともかくとして。
「失敗だ」と思ったものが、そう悪くはなかったと後で気づくこともあります。ここにはその人の色彩感覚が関わってきます。
色彩感覚というと「センスの話か」となりますが、それは成長や体験の中で変わっていく面もある、そんな話も書いています。
今回の挿絵代わりのデッサンは、小さな亡骸です。すべてのものは色を失い、土に還っていくのだなと思いながら描きました。画像をクリックすると拡大します。
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ついでに書評の紹介も。
環境が色を作り、色が感覚を育てる/『フランスの色景 写真と色彩を巡る旅』編著=港千尋、三木学(青幻舎) 文=大野左紀子
少し前に同じサイトにアップされたものですが、この「配色」についての本から考えさせられることは、とてもたくさんありました。写真がとても美しいです。
ということで、共々、よろしくお願い致します。