2004-01-01から1年間の記事一覧

ワンダの百枚のきもの

女の子のファンタジー 子供の頃に読んで気に入った本を、大人になってもたまに開くということが私はあるが、何十年も忘れていてふと思い出して読み返し、「ああこういう話だったのか」と改めて思うこともある。 「岩波こどもの本」の一冊として昔出版された…

男の嫉妬

先週のブログを読んだ夫が、「独居老人で電飾をつけるのは、お婆さんであってお爺さんではない」と言った。 「ポックリ死んだお爺さんを電飾がチカチカ照らしているって、泣けない?」 「泣けるけど、それは小説の世界。そういうことやるのはお婆さんの方」 …

12月の怪現象

毎年のことだが、冬にはよく御葬式の回覧板が廻ってくる。一冬で五回くらい廻ってきた年もある。町内の老人が冬を乗り切れずに亡くなるのだ。 私の家のある近辺は古い集落が多く、昔から互いに顔馴染みの人々が住んでいて、住民の平均年齢が高い。名古屋から…

いつか王子様が

熱狂の正体 先週から今週始めにかけては、ペ・ヨンジュン来日報道ばかりであった。ファンのオバサン達の過熱ぶりもピークといった感じだ。ペの行くところ日本人女性の群れあり。 今なら彼がどんなことを言っても、オバサン達は従うだろう。「ソウルで僕と一…

上下関係の秘密

ピーコの”暴言” 平日の昼間に家にいる時になんとなく見てしまうのが、TBSのワイドショー「ジャスト」である。最近では週に2回は、三雲孝江の福々しいほっぺと安住紳一郎の泣きそうな顔を見ないと、物足りない。 中でも私がよく見るのは、「辛口ピーコのファ…

「私が結婚しない理由」で考えたこと

「役立たず」な人々 少子化、晩婚化。 このまま日本の人口が減り続けると、大変なことになるという。国民総生産はガタ減りし輸入は途絶え会社は倒産し、年金制度は本格的に破綻し貧しい老人が巷に溢れ、数少ない若者はますます働く意欲をなくし人心は荒廃し…

小論文添削というお仕事

痛々しい文章 昨日と今日はせっせと家で、小論文の添削をしていた。私が直接予備校で小論文の授業をしているわけではないが、貧困に喘いでいますと各方面で言っていたら、親切な人が仕事を回してくれたのだ。本当にありがたい。 やったことがなかったので最…

人称代名詞をめぐって

「僕達」と「私達」 今頃こんなことを知ったのも遅いのかもしれないが、村上春樹は、ほとんどお家芸と化していた「僕」を、今回の新作ではやめたらしい。『アフター・ダーク』の視点は「私達」。 「私達」が誰なのか知りたい気もするが、村上春樹には興味を…

不能者として生きる

能動態なき受動態 今年後半は災害のニュースばかりである。 台風といい地震といい、自然の前には人間は無抵抗な子供のごとき存在であることを思い知らされる。 自然現象に生活のすべてを左右されていた太古の人々と比べれば、人為的な力によって自然をコント…

ビフォー・アフター・アフター

斜陽の街のリフォーム 私の住んでいるのは、名古屋から北西部に快速電車で10分ほどの近郊の田舎街だが、更に快速で北に10分足らずのところに、岐阜市がある。 岐阜は繊維織物の地場産業で栄えた街で、昔はファッション関係や飲食関係も個性的な店が多く、か…

『オニババ化する女たち』を読む

早婚のススメ? オニババ化する女たち 女性の身体性を取り戻す (光文社新書)作者:三砂 ちづる光文社Amazon目下賛否両論、話題の本である。著者は津田塾大学教授の三砂ちづるという人。リプロダクティブヘルツ(女性の保健)を中心とする疫学の学者だそうだ。…

化粧する子供たち

女子の雑誌世界 小学生の間に化粧が流行り出したという話を耳にしてから、随分たつ。 調べてみると、バンダイが小学生低学年対象のメーク用品を売り出したのは92年で、それに続いて大手化粧品メーカーもローティーン向けの化粧品を売り出し、コンビニのコス…

ニュース23の「WAR AND PEACE」

仲良しの二人 坂本龍一もうダメダメだなと、昨日のニュース23を見て改めて思った。 ニュース23の15周年記念企画で、全国から「WAR AND PEACE」というテーマで詩(朗読)を募集し、それに坂本が曲をつけたということである。二千数百もの応募があり、そこから…

消費中毒の女

買い物依存症 目的を持って買い物に行くのではなく、特にこれと言って欲しいものはないのだが、ウィンドウショッピングをしているうちに実質的なショッピングをしてしまっていた、ということがある。 イメージがあらかじめ自分の中にあって、それとぴったり…

叶姉妹からフェミニストまで

服装の悩み 後期の授業が始まったが、私は少し憂鬱である。 授業準備ができていないとか、働きたくないということではない。「痩せなかった」からである。もう一ヶ月も前から、そろそろ痩せないとまずいと思っていたにも関わらず。 夏の間、特にスポーツもせ…

『奇跡の海』を観て考えたこと

涙のメカニズム 奇跡の海 [DVD]出版社/メーカー: アミューズ・ビデオ発売日: 1998/11/27メディア: DVD クリック: 6回この商品を含むブログ (6件) を見るラース・フォン・トリアー監督『奇跡の海』のDVDを、夏に知人から借りて見た。見てから随分経つが、考え…

これが男のモテる道

理系 vs 文系 男にとって、女にモテるモテないは永遠の課題なのだろうか? こういう話で時々出されるのは、女性との会話における、モテる文系男とモテない理系男の違いである。 文系は環境的に女慣れしているので、女性特有の「共感」を求めるタイプの会話に…

AFTER "THE WORLD TOWER"(文化部の男子)

エディターズ・ユニット 「あーだよねこーだよね」と、朝から晩までどうでもいいウンチク延々垂れてそうな、オープンカフェで本読むタイプ。文化部の部室に常にいて御託並べてた学生が、そのまま大人になったというか。それが「フリッパーズ・ギターな男」の…

文化部の女子(または「帝国」の不安)

露悪趣味の純情 どことなくヤバくて見てられない。イタい感じスレスレ。それがこないだ『おしゃれカンケイ』にゲストで出ていた中村うさぎであった。 プライベートをネタにしている女性のもの書きは、一つ間違うと「痛々しい女」になってしまう。中村は破天…

創作少女趣味帝国の逆襲2

頑張らない生き方 オリンピックが終わって少し経つが、私の脳裏にいまだに焼きついているのは、ポーラ・ラドクリフである(こちらの記事参照)。 マラソンで劇的な敗退、棄権をしてから3日後の1万メートル走で、悲願の名誉挽回を期して出場した彼女の絵に…

創作少女趣味帝国の逆襲

手作りの系譜 絵本、手芸、雑貨、イラスト。この中で、どれにもまったく興味がない女の子というのは、少ないのではないだろうか。もうずっと前から女の子ではない私も、今だにこれらのものに激しく心惹かれる時がある。 こうした女の子ワールド(あえて一括…

説教師・細木数子

罵倒系占い師 良い占い師は、占い結果をそのまま伝えるようなことはしないという。 例えばある人について、「今年は仕事を干される」という占い結果が出たとすると、「今年はあまりがつがつ働かず、充電期間に当てましょう」。「恋人にフラれる」と出たら、…

「日本ど真ん中まつり」考

全国的よさこい流行り 一昨日、昨日と8月最後の週末、名古屋は栄の真ん中で、変な衣装を来た人々が、打ち鳴らす鐘や太鼓に合わせて踊っていたらしい。 それを見に何千人という人が押し掛けていたらしい。 その人々もほとんどどこかの「チーム」に参加してい…

シンクロの謎

日本のハンディ もうそろそろオリンピックの話題もやめようと思いつつ、まだ書いている。 前から思っていることなのだが、どうなのだろうか、シンクロナイズドスイミングで、「日本」をモチーフにするというのは。 日本文化をアピールすることに反対ではない…

女の意地

女子マラソンの醍醐味 女の意地とは何だろうか?というのが、アテネの女子マラソンを見ていて改めて思ったことである。 もっとも女子マラソンだけではなく、多くの競技、特に個人競技で要求されるのが「意地」だろう。格闘技なんかがわかりやすい。谷亮子だ…

自由と自己顕示

浮いてる種目 いい加減オリンピック報道を見るのも飽きてきたが、夫は仕事が休みなのをいいことに、アテネ時間に合わせて生活スタイルを変え、昼間寝て夜中起きている模様。 先日も「おお」という声が聞こえてきたので何事かと思ったら、女子ビーチバレーを…

負けた美人の起死回生

女の仕事の不文律 谷亮子の言動への違和感の根が、「美人ではない」ということであったという結論を得て、うっすらとやりきれない気分になっている私である。って、お前が書いたんだろうが。それでも、やりきれないものはやりきれない。 彼女がどこから見て…

谷亮子について考える2

誰も書かないこと 「すごいのは認めるけど、何となく嫌い」。その理由を先日分析してみたわけだが、何か物足りない。まだ悪口言い足りないということではなく、何か重要なことに触れていないという気がする。考えていてそのもやもやの正体がわかった。 つま…

谷亮子について考える

金屏風の前の女 向うところ敵なし。一点の曇りもない勝利。押しも押されもせぬスター。 このオリンピックでまた金メダルを獲得した谷亮子は、もはやアンタッチャブルな存在である。 もともと柔道にもオリンピックにも興味はないので勝とうが負けようがどうで…

「貢献」したい女心

問題の人物像 1. 36才から45才の女性 2. 積極的な性格 3. 物事に冷静に対処できる 4. かなり知的レベルが高い 5. 心の中に深い悩みを抱えている これは、誰の条件を並べたものか。誰も誤解しないとは思うが、私のことではない。福井に二億円の宝くじを…