2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧

コペル君と豊田正子 - 1930年代の教養主義と格差

『君たちはどう生きるか』のエリーティズム 最近、4年前に書かれた『グロテスクな教養』(高田理惠子、ちくま新書)の書評のブログ記事をたまたま見かけた。私がこの本を読んだのもやはり4年ほど前だったが、第一章の「教養、あるいは「男の子、いかに生く…

過去ログを読みながら

ブログを書いている人は、自分の過去ログを読み返したりするのだろうか。それとも、書いたら書きっぱなしで読まない人の方が多いのだろうか。 私は時々読み返す。「これはちょっと物足りなかった」とか「この時だから書けたのか」とか「うわぁ‥‥(汗」などと…

固有名詞が出てこない

よく知っているはずの固有名詞、特に人名が出てこなくなるという脳の老化を初めてはっきり自覚したのは、10年くらい前、40前後の頃だった。 今でもよく覚えているが、友人二人とラーメン屋に入って映画の話になり、ある女優の名が思い出せなくなった。私より…

養老の滝の二人

数日前、ふらりと養老公園に行った。高速を使うと、家から40分くらいで行ける。 養老山麓にある公園は広く、荒川修作の「養老天命反転地」*1を初めテニスコートやゴルフ場、子供向けの施設などがあり、25分くらいかけて登っていくと養老の滝に着く。紅葉が盛…

修学旅行

先週、修学旅行らしい学生たちを駅で見かけた。修学旅行を一学期に行う学校も多いようだが、やはり10月から11月にかけてがそのシーズンだ。 子供の頃、幼稚園を休んで、高校教師の父の引率する修学旅行に付いていったことがある。昭和30年代の話。昔のアルバ…

小津と成瀬の「やれやれ」と結婚詐欺女

去年のことだが内田樹がブログに、小津安二郎の戦後の映画はほとんど「娘を結婚させる話」だと書いていた(こちらの記事で言及)。1950年前後から後のホームドラマは確かに、周囲の大人がよってたかって年頃の娘を何とか結婚させようとする話が多い。 一向に…