2013-11-01から1ヶ月間の記事一覧

母のこと

毎週1回、仕事帰りに父のいる老人ホームを訪ねているが、時折「さっきお母様がいらしてましたよ。入れ違いでしたね」と言われることがあったりして、たまには時間を合わせて一緒に父を見舞おうということになった。 講義が終わり急いで昼食を済ませて行くと…

「偉い男」ほど厄介なことになる

父が入居している有料老人ホームの、介護士の人に聞いた話である。 「施設に入って認知症が急速に進むのは、女性より男性です。その中でも多いのが、会社の社長さんとか学校の先生。社会的には「偉い立場」で、ずっとこれまで自分が指図する側で来た人ですね…

”スピリチュアル”な日本の美術教育

日本の学校教育の中にも、スピリチュアル的な考え方は根深くある。宗教色は払拭されているとは言え、90年代後半からゆとり教育の中で言われた「生きる力」といった文科省の掲げるテーマの中には、「心」や「感性」を重視する精神が強く見られた。 ゆとり教育…

「山本太郎お手紙事件」に見るメシア願望

話題としては既に古くなった、山本太郎参院議員が秋の園遊会で天皇に手紙を渡したという”事件”。この件で最初に思い出したのは、かつて斎藤環が『新潮45』9月号の速水健朗との対談「「ヤンキー政治」にご用心!」で、山本太郎について言った「ニューエイジ…

「お世話になっております」の世界

仕事のメールの冒頭に必ず「お世話になっております」とつけるのは、何故なんだろう。 世事に疎い私だが、最初にそのメールをもらったのは、非常勤で行っている私立学校の教務からの事務連絡だった。こちらはその学校に講師として雇われている、つまり「どち…

「なんとなく」の重さ

自分の仕事が休みの日、夫を駅まで車で送っていく前に、近所の喫茶店に時々立ち寄る。この小さな町に引っ越してきた当初は、蝶ネクタイをしたおじいさんが切り盛りしており、やがて息子さんに代替わりして、それからもう十数年。しばらく行っていない時期も…