2013-01-01から1年間の記事一覧

「再び大人になる」ということ

デキ婚しとけばよかった - Hatelabo::AnonymousDiary 「産んで育てられるという体制が整ってから子どもを作ろうとしても年齢的になかなかできず、つらい不妊治療をするほど欲しいかというとそうでもないが、なんとなく子どもがいたらいいだろうなと思いなが…

「高学歴女子」をめぐる共著のお知らせ

出るのは来年の2月ですが、出版社の方からそろそろ以下のようなアナウンスをしてほしいとのことなので、お知らせします。 <新刊案内> タイトル:『高学歴女子の貧困』(仮) テーマ:女子は学歴で幸せになれるか? 「女子の学歴と仕事、そして人生」につ…

『やっぱ月帰るわ、私。』 - インベカヲリ★写真集 -

若い女性が自分の写真を撮られたい時とは、どんな時だろうか。どんなふうに撮ってほしいと思うのだろうか。 自分が一番「輝いている」と思う時? 今の若さを記録しておきたいと思った時? 普段の自分より3割増くらいは美人に撮られたい? 女優のように撮ら…

ある日

朝6時40分。布団から出たくないが朝一の仕事の日なのでエイヤと起きる。ジャージの上にカーディガンを羽織って階下に降りると、夫はまだ爆睡中。テレビを見ながらリビングで寝る(時々起きて仕事したりスマホでゲームしたり)という習慣がついているこの人は…

上映中にコミュニケーションする人

公開中の『かぐや姫の物語』を観に行った時のこと。日曜日で”映画の日”、しかも「三歳未満入場可」だったので、小さな子ども連れもいるだろう‥‥ということは、途中で子どもの声に視聴を多少邪魔される可能性あり。それでもまあいいかと思って出かけた。 客席…

母のこと

毎週1回、仕事帰りに父のいる老人ホームを訪ねているが、時折「さっきお母様がいらしてましたよ。入れ違いでしたね」と言われることがあったりして、たまには時間を合わせて一緒に父を見舞おうということになった。 講義が終わり急いで昼食を済ませて行くと…

「偉い男」ほど厄介なことになる

父が入居している有料老人ホームの、介護士の人に聞いた話である。 「施設に入って認知症が急速に進むのは、女性より男性です。その中でも多いのが、会社の社長さんとか学校の先生。社会的には「偉い立場」で、ずっとこれまで自分が指図する側で来た人ですね…

”スピリチュアル”な日本の美術教育

日本の学校教育の中にも、スピリチュアル的な考え方は根深くある。宗教色は払拭されているとは言え、90年代後半からゆとり教育の中で言われた「生きる力」といった文科省の掲げるテーマの中には、「心」や「感性」を重視する精神が強く見られた。 ゆとり教育…

「山本太郎お手紙事件」に見るメシア願望

話題としては既に古くなった、山本太郎参院議員が秋の園遊会で天皇に手紙を渡したという”事件”。この件で最初に思い出したのは、かつて斎藤環が『新潮45』9月号の速水健朗との対談「「ヤンキー政治」にご用心!」で、山本太郎について言った「ニューエイジ…

「お世話になっております」の世界

仕事のメールの冒頭に必ず「お世話になっております」とつけるのは、何故なんだろう。 世事に疎い私だが、最初にそのメールをもらったのは、非常勤で行っている私立学校の教務からの事務連絡だった。こちらはその学校に講師として雇われている、つまり「どち…

「なんとなく」の重さ

自分の仕事が休みの日、夫を駅まで車で送っていく前に、近所の喫茶店に時々立ち寄る。この小さな町に引っ越してきた当初は、蝶ネクタイをしたおじいさんが切り盛りしており、やがて息子さんに代替わりして、それからもう十数年。しばらく行っていない時期も…

「やり方」を教えること

上のトークイベント告知記事を挙げてネットを巡回していたら、とても関連する内容の記事がブックマークを集めていた。 「好きに書きなさい」はタイミングによっては最悪。:島国大和のド畜生 読書感想文で、絵画で、自由研究で、基本的なやり方を教えず『自…

トークイベントのお知らせ

まだ3週間ほど先ですが‥‥。 大野左紀子 | トークイベント 「図工の時間は楽しかったですか?」 - 日本の美術教育 - 「自由」と「個性」から漏れるもの - 開催日付:2013年11月19日(火) 開催時間:19:00〜21:00 開催場所:川口市立映像・情報メディアセンタ…

アートとイラストの違いがないとしたら、アートをイラストと呼んでいいのだろうか?

それだと怒る人がいるんじゃないかな。主にアート方面に。 逆にイラストをアートと呼んで、「何でもアートです」ということにした方が”丸く”収まるのかもしれない。 でもその”丸さ”って何だろう。 アート、デザイン、イラスト(80年代の話) - Togetter 少し…

祖母と「おりぼん」

実家に行って、古い写真の整理をしていた時の話。 3歳から6歳くらいの頃の私は、大抵頭に大きなリボンをして写っていた。髪を横分けにして三分の一くらいをゴムで括り、幅広のリボンを結ぶ。昭和30年代の小さい女の子の典型的なヘアスタイルだ。リボンのこ…

「公募展」をめぐって

茂木健一郎による「国立新美術館」と「公募展」批判 - Togetter 公募展をめぐるツイートあれこれ - Togetter 会田誠とパルコキノシタの公募団体に対するやりとり - Togetter 脳科学者の茂木健一郎氏が国立新美術館で開催されていた『アメリカン・ポップアー…

ネットの悪口が恐いクリエイター

ネットに悪口を書き込むヤツらに反応することはいかに不毛な行為なのか?|オモコロ特集 この中で少し驚いたのは「最後に」のところ。 今回、このようなブーメラン記事を書こうと思ったのは、最近、立て続けに「創作活動がしたいけど、悪口を言われるのが怖…

好きなアーティスト、嫌いなアーティスト

前の記事のUst発言起こしの部分で持ち出されている「美大生の好きなアーティスト、嫌いなアーティスト」というのを、自分の講義(名古屋芸術大学での「ジェンダー入門」)を受けている学生対象でやってみた。 講義本題に入る前に、出席票の裏に書いてもらう…

奈良美智とラッセンについてのUstream発言起こし

有名なアーティストが反応したことでまた「ラッセン」が賑わって‥‥と思ったらニュースになっていた。「ラッセンとファンが同じ」 奈良美智が関係者発言に怒りまくる:j-CASTニュース 「ラッセン」で検索して上位に出てきた記事を適当に繋ぎ合わせたような内…

描くこと、似た人

見送りの準備 [父]タグのダラダラ長い記事に100以上もブックマークのついたのは初めてで、ちょっと驚いた。 その中の一つ。 elve <妄想>コレ描きながらも泣いてそうだなぁ、と思った。楽しくて哀しくて大変な作業だったろうなぁ〜。</妄想> 2013/10/05 …

見送りの準備

これまでのところ幸運なことに私は、家族やペットなど親密な対象にある日突然死なれたことがない。祖父も祖母もほぼ平均寿命をまっとうして死に、飼い犬も老衰で死んだ。そこまで年老いていない身内の人々は、まだ皆生きている。その中で、今一番確実に死に…

「でも」を重ねる女・・・『女の園』を観て

木下惠介生誕100年 「女の園」 [DVD]出版社/メーカー: 松竹発売日: 2012/08/29メディア: DVDこの商品を含むブログ (9件) を見る木下惠介監督作品『女の園』(1954) をDVDで。戦前のような良妻賢母教育を貫く全寮制の京都の名門女子大を舞台に、旧態依然とした…

粘土と言葉

学校で人体彫刻を学んでいた期間だから、だいたい16歳から20歳くらいの頃。塑像の心棒を作るのが好きじゃなかった。 小割り(3、4センチ角の角材)と番線をシュロ縄で括りながら組み立てるのだが、これで大丈夫と思って粘土をつけていくと、中の心棒に対し…

「連れ風呂」の二人

小・中学校の頃、女子には連れ立ってトイレに行くという行動がよく見られた。「◯◯ちゃん、トイレ行かない?」「行く」、「トイレ行こかな」「私も」「私も」というふうに。男子からは「なんで女はトイレまで一緒に行くんだ。金魚の糞か」とからかわれた。 今…

ラッセンは「宗教画家」であり「インサイダーアーティスト」

またラッセンかと言われそうだが、一つ前の記事「美術史は歴史修正主義のカタマリ」に、ブックマークコメントでツボにはまる補足説明が入ったので書いておきたい。 Midas ↓美術史家としての立場から補っくと「ラッセンが正統文脈の美術史見直しに入らなかっ…

失われた街の人々

『あまちゃん』で描かれているのは岩手県北三陸市という架空の街だが、ロケ地が同県の久慈市だったため、舞台は実質、久慈市ということになっているらしい。 岩手県北西部の海沿いに位置する久慈市も津波の被害を受けたものの、死者2名、行方不明者2名に留…

美術史は歴史修正主義のカタマリ

ヤンキー、ニューエイジ、ラッセン(そしてアート‥‥) だんだん記憶が蘇ってきたので、トークイベント実況Togetterに拾われてない自分発言を、若干言葉を補いながらメモしておきます。 「歴史修正主義*1と言うと政治の論争になるのだけど、アートはむしろ歴…

ヤンキー、ニューエイジ、ラッセン(そしてアート‥‥)

8/29下北沢B&Bでのトークイベントにお越し下さった皆様、どうもありがとうございました。 満員のお客さん&著名な論者とのトークという緊張で、自分の喋りが時間に追われた時の講義のように早口(そしてところどころ日本語崩壊?)になっていた点を含め…

『ラッセンとは何だったのか?』トーク・イベントのお知らせ

※8/19アップの記事ですが、イベント開催日(8/29)までブログのトップに来るようにしておきます。 『ラッセンとは何だったのか? - 消費とアートを越えた「先」』 (フィルムアート社、原田裕規=編著/執筆者=斎藤環、北澤憲昭、大野左紀子、千葉雅也、大…

姪の話

祖父の見舞いがてら、関東方面から名古屋に来た姪(映画の勉強中で服が大好きな19歳)のおしゃべり。 「桐島、部活やめるってよは2回観た、映画観た後トイレに入って他のお客の喋ってるの聞くの、なんかよくわかんなかったねって言い合ってる子たちいたけど…