ついに自画像を描いてしまった‥‥/連載エッセイ更新のお知らせ

WEBスナイパー(18禁サイト)に連載中の「絵を描く人々」第7回です。これまでの関連ブログ記事を再構成して組み込み、大幅に加筆しています。


絵を描く人々 第7回 自画像と似顔絵をめぐって - WEBスナイパー


子どもの頃から、人の顔を描くのが大好きでした。マンガ風に描くのも好きだし、デッサンのように描くのも好き。とにかく人の顔は面白い。しかしそれが自分の顔となると、単純に面白いとばかりは言っていられません。
普通の人は自画像を描くとしても、小、中学校の図工か美術の時間に一回あるかないかで終わりですが、美術系となると度々描く機会があります。鏡さえあれば描けるので、モチーフ準備したりモデル頼んだり描くもの探して外に行くこともない。自画像は画学生にとって、もっともポピュラーな修練の一つ。自分の顔にコンプレックスが一杯の思春期に、それを冷徹に見つめ、冷徹に描写する、というだけでメンタル鍛えられます。


大学を卒業して以降、実は一枚も自画像を描いたことがありません。私は画家ではなかったし、粘土で自刻像を作ったのも高校の時。目鼻立ちのぼんやりした、平面的で地味な自分の顔が嫌いでした。どうせブスならもっと迫力ある個性的なブスに生まれれば、メイクのしがいもあったかもしれないのにと、若い頃は思っていました。
でも今回このテーマで、挿絵のデッサンを誰かの似顔絵にするのはやっぱり”逃げ”だろうということで、数十年ぶりの自画像です。
最初に描いた左手の方、これまで30分でギブアップしていたところを40分粘りました。全然似てこないので、さすがにこんなんでは出せないなと思い。まだ今いち似てません。
右手の方は、目鼻のバランスが若干縦長になったきらいはありますが、編集者曰く「大野さんそのもの」だそうです。57歳のすっぴんでございます。どうぞご笑覧下さい。


真剣な時、自分はこういう顔をしてるのかと気づけたことが面白かったです。元来描写型なので、「何なのこの皺、何なのこの弛み」と思っても、描いているうちに「もっとリアルにしたい」という気持ちが勝ってしまうんですね。
‥‥しかしライティング、斜め上じゃなくて斜め下からにすれば良かった。顔の影が少しは誤摩化せたはずだ。って、せこいわ(ちなみに最後に掲載されている写真は三年前のもの。いつまで使ったら許されるか考え中)。