ヒロインとともに旅する映画『わたしに会うまでの1600キロ』(「シネマの女は最後に微笑む」更新されました)

映画から現代女性の姿をpickupする「シネマの女は最後に微笑む」第21回は、リース・ウェザースプーン主演の『わたしに会うまでの1600キロ』(2014、原題は『Wild』)。メキシコ国境からカナダ国境に至る長距離自然歩道を、一人でハイクした女性の実話が元になっています。


大自然の中の過酷な旅、過去を生き直す女性の実話 | ForbesJAPAN



過酷なハイクとヒロインの「生き直し」が重ね合わされている本作、とってつけた感じのするライフハック(?)みたいな邦題は、個人的にちょっと残念ですね。
これがネックになって劇場でも観なかったし、DVDもずっと避けていたのですが、R.ウェザースプーンが自ら会社を作って制作を手がけたということを知り、観てみました。シェラネバダ山脈などをはじめとして、アメリカの雄大な自然の景観の移り変わりがすばらしく、大画面で観ても良かったなと思いました。


印象的なエピソードがひとつひとつ積み上がっていく中で、観る者はヒロインと一緒に旅をしている感覚になります。そして最後に彼女が受け取る、とてもささやかだけれど思いがけない贈り物を、私たちも受け取ります。その「尊さ」に鳥肌が立ち、涙が出ました。
辛い場面もありますが、見終わった後、不思議なすがすがしさに包まれる本作を通して、R.ウェザースプーン、いい女優だなと改めて思いました。