先駆者への敬意と小さな挑戦を描く『ジュリー&ジュリア』(「シネマの女は最後に微笑む」更新されました)

映画から現代女性の姿をpickupする「シネマの女は最後に微笑む」第32回は、最近話題になった「プロヒッチハイカー」中学生や「バイトテロ」などSNSで表面化した件を枕に、エイミー・アダムスメリル・ストリープダブルヒロインを演じた『ジュリー&ジュリア』(ノーラ・エフロン監督、2009)を取り上げています。
現状を打破したい欲求と被承認欲からのネット上の小さな挑戦が、偉大な先駆者への敬意と自己肯定に至る、実話を元にしたドラマ。

 「主人公じゃなくてもいい」 映画が教えてくれる大切なこと | ForbesJAPAN

 

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現代パートのエイミー・アダムスに寄った視点で描かれますが、無邪気で頑張り屋だけどちょっと子供っぽいところもある彼女に対して、メリル・ストリープの演じる1950年代の中年女性がなかなか面白く魅力的です。
同じく無邪気でガッツもあるという役柄上の共通点がありつつ、ずっと腰が座った感じなのは、やはりその世界のパイオニアとフォロワーの違いなのでしょう。
ドラマ上のこうしたポジションはそれぞれの女優としての立ち位置とも絡み合って、メリル・ストリープに花を持たせる感じになっています。


描き方として若干個人的に気になるのは、ジュリー(E.アダムス)と恋人がいちゃつくシーンが多過ぎでは?(笑)ということ。コメディ仕立てなので、そういう軽いイチャイチャを挟みつつテンポ良く話を運ぶという演出はわかるものの、このノリはもう古さを感じさせるだろうなぁ、2019年現在は‥‥と。
でもエイミー・アダムスだから、こういう女性を可愛らしく爽やかに演じられたんだろうなとも思います。