サイゾーウーマンの連載映画レビュー「親子でもなく姉妹でもなく」最終回は、『グッドナイト・ムーン』(クリス・コロンバス監督、1998)を取り上げました。
既婚/独身、専業主婦/仕事女の分断と希望を描く『グッドナイトムーン』
- 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
- 発売日: 2016/08/02
- メディア: DVD
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クリス・コロンバス監督はファミリーコメディやファンタジーものを得意とする監督で、この作品も基本ハートウォーミングなユーモアを交えたタッチですが、設定はわりとシリアスです。
立場の異なる二人の女性の悩みや葛藤や対立、そして歩み寄りを丁寧に描いて好感がもてます。原題は”Stepmom”(継母)。
ジュリア・ロバーツが独身売れっ子カメラマンを、スーザン・サランドンがバツイチの母を演じています。もうそれだけで火花が散りそうですが、後者の別れた夫が前者の恋人となっているので、男を間に挟んだダブル・ヒロインものでもあります。
普通そういうケースだと、男がどうにも煮え切らなかったりだらしなかったりすることが多いですが、この作品は男を「悪者」にはしていません。そもそも、厭な人物は一人も登場しないのです。私は二人のヒロインのどちらにも半分ずつ感情移入しながら観ました。
世代や社会的立場や価値観の違いをいかに超えていけるかという、普遍的なテーマを扱っている作品だと思います。
イラストはスーザン・サランドンとジュリア・ロバーツの顔を正面から。似顔絵としてはまあまあの出来でしょうか。この連載でジュリア・ロバーツの登場は最多(3回)でした。本文とともにお楽しみ下さい。
今回で、連載「親子でもなく姉妹でもなく」は終了します。
「ダブルヒロイン」「女性の関係性」は引き続き考えていきたいテーマなので、またどこかで稿を改めて書いてみたいと思っています。
どうもありがとうございました。