秘密の多い未亡人を演じるダイアン・キートンの軽快さ『ロンドン、人生はじめます』

連載「シネマの女は最後に微笑む」第71回は、『ロンドン、人生はじめます』(ジョエル・ホプキンス監督、2017)を取り上げてます。

 

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ロンドン最大の公園ハムステッド・ヒースで暮らしていたホームレス男性が、裁判の末、土地の所有権を得たという御伽噺のような実話を元にしたヒューマン・コメディ。
主演のダイアン・キートンは、ハムステッドの高級住宅街に住む未亡人を演じています。表向きは優雅に見えるが経済的には逼迫している中、自分と正反対の生き方をしているホームレス男性に出会う‥‥という展開。


緑豊かな公園の自然を捉えた映像が、とても美しいです。邦画だといろいろ思わせぶりな描写が入りそうな中高年の恋愛が、サラリと描かれているところも良い。ユーモアや皮肉もたっぷり。
ヒロインに言い寄る会計士ジェームズがキモいのなんの。特に「ハッピィバースデー」を歌うシーンでは、半笑いで「うえぇ、やめてー」となります。
そしてダイアン・キートン、幾つになってもスタイルをキープしていて、軽快でカッコいいなぁ。