トランプ就任後に『シビル・ウォー アメリカ最後の日』を観る

連載「映画は世界を映してる」、今回は昨年の話題作、アメリカの近未来を描いた『シビル・ウォー アメリカ最後の日』を取り上げています。

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独善的な大統領が法を無視して第三期目の任期に入ったアメリカでは、19もの州が国家
を離脱し、内乱状態が勃発しているという設定。本作は、対立の具体的な内容には踏み込まず、対立によって生まれた深い分断そのものが、どう人々を蝕んでいるかに焦点を当てています。
そこには、現在の私たちの姿も隠喩的に映し込まれています。

ハリウッド映画的なスペクタクルは終盤の市街戦で見られるものの、全体としては抑えたトーンで骨太の作りになっており、特にカメラワークが秀逸。ベテランの戦場カメラマンを演じるキルスティン・ダンストも、さすがの貫禄を醸し出していて良いです。

トランプ就任後の現在のリアリティの中で再見したい作品。おすすめ。