竹島ファンタジー館、リニューアル後の印象

日中の気温が20度を越えた昨日、友人と3人で蒲郡に行ってきた。『天の丸』という温泉旅館の露天風呂に入り、そこで昼食を食べてから向かったのは、竹島ファンタジー館。 
何千万個という貝で作られた変テコな造形物がずらずら並ぶこのマイナーな施設は、前は「蒲郡ファンタジー館」という名称で、6年ほど前に蒲郡に来た際、偶然見つけて入ってびっくりした同時にとても気に入り、機会があったらまた行きたいと思っていたところ。
初めて行く二人に、「とにかくすごく変だから、一回は見といた方がいい」と力説する。
(以下写真がありますが、お酒が入っていたのでとても適当です)



昨年夏にリニューアルしたということで、外観が少しきれいになっていた。入り口にゆるキャラみたいなのが出てくるミニシアターがあって、案内をしている。以前はなかったものだ。微妙に厭な予感がしながら入って行くと、要所要所に同じようなミニシアターがある。そこから常にアニメ声のアナウンスが流れてくる。
リニューアルということで家族連れを意識したのか、普通のテーマパークっぽくしようとしている感じだが、なんかそぐわない。音も映像もいらないのになぁ。キッチュな意匠てんこ盛りの造形をただ見せるだけで、十分インパクトあるのに。
極めつけに残念だったのは、以前は腰に何か纏っているだけだったでっかいビーナス像が、服を着せられていたことだ。それも貝ではなく、ただの布の服。子どもが裸のおっぱい(全部極小の巻き貝で出来てるモザイク製だけど)を見たらマズイと、誰かが判断したのだろう。つまらない配慮をするものだ。
がっかりして、その写真を撮ることを忘れた。「竹島ファンタジー館」で画像検索すると、「前」と「後」の画像が出てくるので、興味のある人はどうぞ。


 
隣に小さいビーナスがあったと思ったけど。裸だから撤去?
 
後ろのミニシアターで浦島太郎の物語の説明してたようだ。



マネキン以外、何もかも貝。全体としては竜宮城がコンセプトっぽいが、全然関係ないものもあり、昔のラブホみたいな飾りもあり、いい加減なところが魅力。


館の出口は、以前来た時は直接土産物のスペースに通じていたと思ったが、今はさまざまな貝の展示コーナーが作ってあり、ここでお勉強してね!という感じになっている。
土産物コーナーはその分若干狭くなっていて、前はたくさん並んでいた、いかにも地元の人が手作りした感じの昭和の香り漂うチープな貝のおもちゃや飾り物やアクセサリーの類いは、とても少なかった。あれが楽しみだったのに残念。
その代わりに食品コーナーが大きくなっていた。やはり客寄せを意識している感じだ。



産品コーナーの隅になぜか舞台。壁の松はもちろん全部貝。

うなぎがいた。ホルスタイン・イールとも言う色彩変異種。
 こんな物も‥‥。           抹茶サイダー。微妙な味。


「”蒲郡”ファンタジー館」の頃は、外見は今より寂れていたけれど、秘宝館的な怪しさが漂っていてワクワクした。造形物を初め、内部はほとんど地元の人々が作り上げたものだと聞いたが、その気の遠くなるような作業の細かさと、アウトサイダーアートの荒々しいパワーに圧倒されたものだ。
リニューアル後も展示自体はほぼ同じなのだが、メジャー志向の平凡な演出がちまちま加えられたことで、元々あった怪しさ、猥雑さが若干薄まったように感じた。集客を意識すると口当たりは良くなる分、毒気はちょっと抜かれるのかもしれない。場所も物も人も。



それも仕方のないことなのかなと思いつつ、向かいにある小さなマーケット(上の写真)に入ると、人で溢れている。なんでも3時からすべてのナマモノが半額のタイムセールということで、皆、カゴを手に待ち構えているのだ。3時まであと5分。異様な熱気。そして店員が鐘を鳴らし、一斉に切り身や刺身の大きなパックをカゴに放り込む人々。
ナマモノは家に着くまでに傷みそうなので、わさび漬けと蒲鉾とちりめんじゃこを買って帰り、酒のつまみにした。