サイゾーウーマンのコラムページで、新連載の映画レビュー「親子でもなく姉妹でもなく」が始まりました。
WEBスナイパーでの以前の連載「あなたたちはあちら、わたしはこちら」(現在書籍になってます)の続編のような感じです。テーマは、やや年齢の離れた女性同士の関係性。映画を通して引き続き「女」について考えていきたいと思います。
第一回は『プラダを着た悪魔』(デヴィッド・フランケル監督、2006)。ジャーナリスト志望の若い女をアン・ハサウェイ、彼女をシゴくファッション誌の鬼編集長をメリル・ストリープが演じて、そこそこヒットしましたね。
ちなみに授業を取っている学生に、「年齢のちょっと離れた女性同士の絡みがある映画で思いつくのは?」と聞いてみたら、最初にコレが出てきました。
アンドレアの最後の判断、物語の結末については議論の別れるところで、真魚八重子さんは『映画系女子がゆく!』の中で、「本作ほど、働く文化系女子を否定した、裏切りの映画もないと思う」と批判しておられました。私もあの結末を少し残念に思った一人です(そういう人は結構いたようです)。
しかし私たちがモヤモヤしたアンドレアの身の振り方は、実はそれまでの幾つかのシーンにおいて、”優等生”である彼女の「美点」でもあり「弱点」でもあるというかたちで既に予感されており、それを鑑みれば彼女はあの道を選ぶべくして選んだとも言えるのです。
そして、そんなアンドレアに期待し手応えを感じ裏切られたからこそ、ミランダの最後の「贈り物」は美しいのではないか。ミランダ世代に近い自分としては、あそこはやはりグッときます。
ということで、どうぞよろしくお願い致します。
月一、月末の更新です。イラストは、今回はシンプルにモノクロームで。テキストと合わせてお楽しみください。
嫌われるのを厭わない女×いい子でいたい若い女――ふたりの女から見る『プラダを着た悪魔』
●追記
本文中、メリル・ストリープの名前だけ出して、アン・ハサウェイを入れるのを忘れてました! 別にアンドレアの役をシビアに見ていたからではありません(‥‥いや、案外そうなのかな。間違いは無意識の云々)。訂正を送ったので、明日直るはずです。
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