こちらでのお知らせ、また数日遅れです。。
映画から現代女性の姿をpickupする「シネマの女は最後に微笑む」第36回は、フランソワ・オゾン監督の『彼は秘密の女ともだち』(2014)を取り上げてます。原題は「新しいガールフレンド」という意味。邦題はやや内容に踏み込んでます。
邦題やDVDジャケットからコメディっぽい印象を受けますが、そういう要素もあるもののコメディではありません。親友を失った女性がその夫(秘密の女ともだち)との関係性を通して、次第に自分の真の欲望に目覚めていく姿を描いています。
異性愛規範を超えて、女が自分の本当の欲望に気づく時 | ForbesJAPAN
本連載でトランスジェンダーの映画を取り上げるのは、『ヘドウィグ&ザ・アングリーインチ』、『ナチュラルウーマン』に次いで3本目。本作は、異性愛者として生きてきた女性の視点から描いているのと、「幻影の支配とそこからの脱却」というテーマがオゾン監督らしく感じます。
主人公の女性の「普通」さ加減が親しみを感じさせるとともに、話がどのように転んでいくのか先が読めそうで読めないので、かなり大胆な結末に驚かされます。
”男も女も「女」を愛する”を地で行く物語。(テキストは例によってネタばれに配慮していません)。
ところで2ページ目の終わりの方、「ドラァグクィーン」と書いたのに、編集の方で「ドラッグクィーン」に直されているのに後で気づきました(今は修正されています)。
英語表記は同じdragなのですが、日本語での「ドラッグ」(薬)という表記と区別して「ドラァグ」(裾を引きずるという意味で女装を表す)と書くのが普通かと思います。発音としてもこちらのようです。
ものを書き始めた頃、こちらの表記ミスはほぼ100%チェックされるものと思っていましたが、編集者も人によって知識の偏りがあったりして、どうしても穴は出るということがだんだんわかってきました。特に「ドラァグクィーン」は、クィアやセクマイ文化に関心がないとピンとこないと思います。