はてな女子は可愛い

はてな男子ははてな女子のことを「かなり可愛い」と思っていて、きのこの人の絵(たとえばこれとか、最近ではこれとかこれとか)がそういう思い込みに一役買っているというsho_ta氏の記事があったが、実際女性を描く時に可愛く描くのは普通のことだし、絵師であれば自分の理想の女の姿(若く可愛くナイスバディ)に描きたいと思うのは一種の職業病、業というものであり、さらに言えばそれぞれ一家言あるはてな女性ダイアラーの方達をあまり可愛くなく描いたら、この先どんな災禍を呼ぶかわからないのである。


むしろあれらの絵は、きのこ絵師の男女問題に関する筆の滑りを中和する(というか明後日の方向にずらす)のにおおいに役だっていると共に、男性からの性的視線=言説には敏感なはてな女性であっても、あられもない格好に(しかし可愛く)描かれた自分の絵に真面目に文句はつけないだろうことを見越した上での、類い稀な画力を利用した用意周到な戦略というほかなく、そういう見え透いた欺瞞には騙されない私でさえ、異常に若く可愛く描かれたことに舞い上がって思わずコメ欄で礼を言ってしまったくらいで、後から私はなんで礼など言ったのだろうと一瞬落ち込んだが、いくら中年のおばさんとわかっているからといってその通りに描くなど絵師の美意識が許すはずはないし、そこに年齢表現を持ち込んだらまず描かれた本人が黙っているわけなく、舌禍ならぬ画禍となるのは実際やってみなくてもわかっているので、ああした画一的表現は妥当過ぎるほど妥当というほかはない。


もしきのこ絵師の描く女性像にはてな男子が幾ばくかでも影響され騙されているとしたら、それは「騙されたい」という欲望をあれらの絵が気持ち良く肯定してくれているだけのことであって、そんなことはどっちかというとどうでもよく、「あんなに若くて可愛くない」などといった私のような無粋なツッコミではない、「眼鏡はかけてないけど」「絵がすばらしい」「バニー姿で描いていただいて恐縮です」といったはてな女性の方々の大人のコメントこそ、絵師の業と周到さを看破した上で許容してやろうという寛大さの現れと見るべきなのだろうが、対象のある女性のイメージとして描かれるあれらの絵がフェミニズム的にはどう解釈されるかは十分に意識した上で、あえて絵師がしつこく描いているであろうことの意味は、誰かが既に指摘しているのだろうか。


●追記
上の記事には直接関係ない(よく考えるとあるかもしれない)が、真実に触れたとても良いエントリ。
笹塚兄妹心中ランチ(「セックスなんてくそくらえ」より)