しりとりエッセイ

id:sho_taさんからバトンが回ってきました。お題のしりとりでエッセイを書く試みだそうです。usauraraさんのこの記事を見ると、流れがわかります。


ルールはこちらとのこと。

ルール
A. 自分がいつも読んでる大好きなブロガーにバトンをわたす。
B. バトンをわたすブロガーのブログのよさに関して短いコメントを入れる。
C. バトンをわたすのは一人のブロガーだけになってしまうけれど、しりとりえっせいには誰でも参加可能。


ブクマに100文字エッセイ書いてくれてもいいし、次のえっせいの題材のリクエストをしてくれてもいいです。
はたまた、トラバでえっせいに参加したことを伝えて下さってもいいです。


sho_taさんは、「なんとなく期待されているような感じなので」私にバトンを回したそうです。期待? 別にしてなかったけど‥‥と考えて思い当たりました。内々のことなのでここに詳しく書くのは控えますが、要約を面倒がってある人のメールをそのまま転載して送ったのです。で、どうもこちらが思ってもなかったことを読み取られたようです。
まあ「自分がいつも読んでる大好きなブロガー」ではないけどな、ってことを言いたかっただけかもしれませんけどねー‥‥だ。ふん。


sho_taさんのエッセイのお題は「キリギリス」でしたので、私は「す」から始まる言葉をタイトルに、一本書かねばなりません。
す。難しいよな。す。酢レンコンくらいしか思いつかん。別に酢レンコンについて書きたいこともないし。
Scheveningen。オランダの海沿いの観光地の地名です。よくスケベニンゲンと読まれるので有名です。有名でもないか。昔、行ったことがあるのですが、リゾートシーズンも終わって閑散としてました。特にロマンチックな思い出もありません。なんであんなとこまで行ったんだっけな。
夏らしく「スズムシ」は。実はスズムシを飼っていたら大量に繁殖して大変だったことがありました。でも「キリギリス」に続いてまた虫じゃあ芸がないです。


とか言ってると三日くらい悩みそうなので、強引に「スチュワーデス」いきます。



「スチュワーデス」


「スチュワーデス」が「フライトアテンダント」「客室乗務員」と言い替えられるようになって、どのくらいになるだろうか。新聞やテレビニュースなんかではまず、その呼び名だ。
「保母」は「保育士」、「看護婦」は「看護師」。何事にも男女平等を掲げるフェミニズムの行き過ぎた言葉狩りだ、などと一部で言われてもいたが、こっちはもともと女性オンリーだった職業に男性が就きやすくするため、中性的な名称に統一したものらしい。一方、職業名に最初から性差があったのが問題視された「スチュワード/スチュワーデス」だが、日常ではまだ普通に使われているように思う。
まあ実質的な男女差別がなくなることが重要であって、呼び名にあまり神経質にこだわることもない気がするんですが、皆さんいかがですか。


2000年に放映された月9ドラマ『やまとなでしこ』の中では、「客室乗務員」という言葉が使われていたので、この頃には呼び替えがある程度浸透していたのだろう。でも西村雅彦と筧利夫は盛んに「スッチー」を連発していた。
「今度スッチーと合コンするぞ!」
「えっ、スッチー!? やったー、生きててよかったー! 俺はまだナマのスッチーを見たことも触ったこともないんだよ!!」
なんてしょうもないやりとりがある。
このドラマの第一話を「ジェンダー入門」の授業で使っているのだが、ある学生の感想文に「スッチーって意味が最初わからなかった」とあった。確かに2000年の段階では、既に少し古臭い言葉だったかもしれない。


「スッチー」で私が思い出すのは、『噂の真相』の人気連載、田中康夫の『東京ペログリ日記』(1994〜2004年、休刊後『SPA!』で連載中)だ。硬派な政治時評も多かったが、初期の頃の田中康夫は頻繁に「スッチー」とお食事したりお茶したりホテルでペログリしてましたよね。ペログリってセックスのことね。「チクショーいいなぁ」と思いながら読んでいた男性も多いはずである。
スチュワーデスは看護婦さんと並んで、男性のセックス・ファンタジーの対象だった。なんといっても制服が肝なのだろう。しかもスチュワーデスの方は才色兼備のややお高いイメージで、更に男性の欲望を掻き立てる。実にわかりやすい。
日本人がどっと海外に行くようになったバブル期には、スチュワーデスをホステスと間違えて、機内で問題起こした困ったおじさんもよくいたようだ。実際40〜50年代には「エアホステス」という、ちょっとアレな感じの名称で呼ばれていたわけだが。


女の子の憧れの職業でもあった。60年代から70年代、「将来の夢」に「スチュワーデス」と書く小学生女子が、クラスに2、3人はいた。「アテンションプリーズ!」なんてフリをつけてやってたものだ(私はそれを見てたほう)。83年のドラマ『スチュワーデス物語』あたりまでは、女性の花形職業の代表格と見られていたと思う。
では今、小学生の女子に人気の職業はとググってみたら、一位から順に、パティシエ、美容師、保育士、小説家、フラワーデザイナー、ファッションデザイナー、トリマー、薬剤師、ウェディングプランナー、看護士(師?)。食べ物、おしゃれ、人のお世話関係が目立つ。スチュワーデスは、トップ10から外れていた。


さらに「スチュワーデス」でググったら、一番目に出てきたのは「スチュワーデス - 熊本ソープランド」。ざっと見ていくと、この名前のソープランドは全国各地にいくつもある模様。こういうところに「スチュワーデス」幻想は生きていたのか、なるほどね。ま、客室乗務員の人には関係ないことでしょうけども。



さて、バトンの回し先ですが、困りました。Webの交流範囲が極端に狭いのです。愛読ブログはあるんですが、エッセイ書くタイプの人で、今自分が頼めそうとなると難しいものです。
それで‥‥何が「それで」かわかりませんが‥‥、id:soulfireさんにお願いすることにしました。soulfireさんという「ブロガーのよさ」はですね、たまたま先日の記事に書いたので引用しましょう(言及しといてよかった!)

ぶっつけで書いてるっぽくって話があちこち飛んでいくユルユル天然漫談風の語りが、一種の個性になっている
[中略]
あのタガが外れているようで外れてないような、危なっかしくも微妙なバランスは、真似しようと思ってもなかなかできない。ちょっとうらやましい。
http://d.hatena.ne.jp/ohnosakiko/20080805/1217938469


では、soulfireさん、また「す」で申し訳ないんですが、どうぞよろしくお願いします。ユルユル天然漫談風、期待してまっす!