高峰秀子もL.ディカプリオもK.キンスキーも丸顔ですね



タイトルに特に意味はありません。
映画ばかり観ているのは何の現実逃避でしょうか、暇を見てはDVDを鑑賞している毎日。
「ビデオinアメリカ」が、この週末3日だけ「旧作一週間90円レンタル」という企画をやっていました。7本借りてたったの630円。素晴らしい。


邦画は、成瀬巳喜男監督の3本。今、成瀬巳喜男がマイブームです。
考えてみると、日本映画の四大巨匠と言われているうちの二人、黒澤明小津安二郎の作品は結構見ているのに、溝口健二成瀬巳喜男は数本しか見ていない。特に熱心な邦画ファンでなければそんなものですか。
「日本映画傑作全集」というビデオシリーズの中に入ってました。戦前の作品もあります。とりあえずパッケージを見て興味を引かれた、高峰秀子が出演している昭和30年代の作品(『流れる』、『女が階段を上る時』、『妻として女として』)を借りることに。


高峰秀子という女優を初めて見たのは、『カルメン故郷に帰る』です。それから『喜びも悲しみも幾歳月』、『二十四の瞳』。いずれも木下惠介監督作品で、成瀬作品で見たのは『浮雲』だけ。実際は成瀬巳喜男の方にたくさん出ているとは、最近まで知りませんでした。
常に一定のイメージがついて回るというタイプの女優がいます。原節子然り、吉永小百合然り。今だと広末涼子とか(この人は単に大根という話かもしれないが)。高峰秀子はまったく別で、幅広い役柄を演じていることもあってか、自分を完全に役の後ろに消し去るタイプのように思えます。
それと、個人的に非常に好みの顔です。一見庶民的で尚かつ品格があり、時々はっとするほど美しい。
あの時代の女優さんの中ではかなりスタイルが良く、着物もドレスも着こなしている。
ダンサーの役(カルメン)も妻の役(喜びも悲しみも)も先生役(二十四の瞳)も愛人の役(浮雲)も、それぞれはまっている。
東京の下町もパリの下町もよく似合う。‥‥もちろんパリを舞台にした映画には出ていないですが、「岸恵子と同じくらいには似合うだろうな」という勝手な想像です。


洋画で借りたのは、『ビューティフル・マインド』(2001)、『クラッシュ』(2004)。内容はほとんど知りません。アカデミー賞の幾つもの部門で受賞した作品だからと言って必ずしもすごく素晴らしいとは限らないですが(2007年の『ディパーテッド』とか)、なんとなくこの二本は、見て損したということにはならないだろうという気がしました。


ワールド・オブ・ライズ』(2008)。リドリー・スコット監督。レオナルド・ディカプリオが出ています。出る作品の善し悪しは措いておいて、最初から最後まで出ずっぱりでも画面がもつ希有な俳優だと思います。
ああいう童顔もやはりイケメンに入るのでしょうか。どうでもいいですが、あの顔は本当に面白い。見ていて飽きません。年をとったらジャック・ニコルソン化しそうな感じはあります。


『殺しが静かにやって来る』(1968)。セルジオ・コルブッチマカロニ・ウェスタン。このタイトルは目にする度に「なんか『悪魔が来りて笛を吹く』みたいな題名だな」と思っていましたが、原題はIL GRANDE SILENZIO(THE GREAT SILENCE)と言います。ジャン=ルイ・トランティニャンvsクラウス・キンスキーという、かなり変わった組み合わせ。
というわけで、早速観ました。‥‥‥「静か」が人の渾名だったのにもびっくりでしたが、キンスキーがトランティニャンを喰ってしまった上に、ラストがえらいことになってました。今でこそあまり珍しくない終わり方でしょうが、当時のマカロニ・ウェスタンのセオリーは完全無視です。
特典映像で、コルブッチ監督の夫人の短いインタビューがありました。この映画は、コルブッチが当時若くして死んでいったヒーロー達(チェ・ゲバラマルコムX)に捧げたものだそうです。キンスキーの変人ぶりは有名で駅まで迎えに行くのを皆が嫌がって‥‥という話が面白かった。
上の写真はこの映画の一シーンですが、クラウス・キンスキーの顔、さすがとしか言いようがありません。