少し前のAntiSepticさんの記事のブコメでの、id:NATSU2007さんとid:simplemindさんの議論が興味深いので追ってみた（タグ、idコールは省略。時系列順に並べ直した。● がNATSU2007さん、○ がsimplemindさん。続きがあれば追加）。
http://b.hatena.ne.jp/entry/d.hatena.ne.jp/AntiSeptic/20100505/p2
● レート云々言ってる時点で女が商品価値を判断される"モノ"である立場は変わらないんだから規範の破壊も何もない。男は当然の権利を奪われたと言える立場に依然として座ってる。高額商品は所詮商品。
○ ここでの「レート」とは「理想の恋愛（結婚）像のレベル」位の意味。それを決めるのは本人（男も女も）。恋愛（結婚）できず不幸になるのは我を張った本人の自業自得だ、というのがこのエントリの主張かと
（ちなみにNATSU2007さんのこのブコメをAntiSepticさんは評価し、simplemindさんのブコメも肯定している。）
http://b.hatena.ne.jp/entry/b.hatena.ne.jp/entry/d.hatena.ne.jp/AntiSeptic/20100505/p2
● 消毒氏は結婚＝売春と明言してる。女が商品である事は彼のエントリの大前提/レート上げてるのは女だよ!女が男に抑圧されてた時代は面倒がなくてよかった!とも言ってる。"男も女も自業自得"とは書いてない。
○ 「結婚＝売春」は誤読。正しくは「恋愛≒結婚」≠「ヘアヌード≒売春＝性を売り物にして対価を得る行為」／「対価を男に支払わせるための方策として結婚と売春は並立」とあるから「＝」という解釈ですか？
● 結婚でも売春でも"対価を払ってモノにされる対象＝女"で固定。つまり女は社会構造の中で商品化されてるって事でしょうが。それが商品化だという事すら解らない程アプリオリになってるのか。規範は永遠だね。
○ 確かに年収1000万で自分を男に売るのも5万で援交するのも商品化ですね。でも商品化してるのは今や社会ではなく本人。社会に商品化されてた女が強くなり主体的に自らを高額商品として売り始めたってのがエントリの趣旨
● 規範の破壊が不可能なら開き直って高く売ろうとする者が出るのも当然。フェミが何をしようが男は「レート上がった。"商品"が高い」と嘆くだけだからね。被害者面できる事が既に既得権。いい身分だ>メタブ続
○ レートを上げる（幸せの基準を上げる）のは全然悪くない。フェミが正しいならそれでいいけど、男を「規範に守られ既得権抱えて被害者面で嘆くとはいい身分」と敵視して新しい関係性なんて作れるの？
● 高く売りつけられたくないなら男も価値観を変えるしかない。フェミの言うように女と"商品価値で見ない新しい関係性"を構築しなければならない。それすらレートが上がった昔の女は面倒がなかったと拒否してるのが現状
○ 女やフェミが提示した新しい関係性に男がついていけず男女関係構築が難しくなったってエントリでしょ。ついていけない男が不甲斐ないのは否定しないけど（笑）だからって男を敵視するのは違うんじゃないの？
● "商品化なんて今は女が勝手にやってるんでしょ""封建時代は平和だった"という認識に対する敵視。男性全般にじゃない。問題意識を踏み躙って"そんなことより仲良くしようよ"ってのが一番始末に負えない。>続
○ エントリは女性（フェミ）批判。それを踏み躙って「そんなことより男が変われ」と書いてるのがナツさんでは
● 男が女の商品価値に拘る限り価値ある商品は高騰する。女が"レートを下げ"たとしても安く買い叩かれるだけで女の商品化という規範は温存される。なのに女が敵視するから関係性が築けないんだと責められる。やれやれ。
○ 女の商品化の根本原因は男が商品価値に拘るからって事ですか？／勝手にとか封建時代は平和とか誰も書いてない。問題意識から封建主義を持ち出してる
● 女とフェミへの批判？フェミが権利を主張し女が強くなりレートが上がって商品(女)が安く買えなくなった事への批判？それが黒人奴隷を失った白人の嘆きだって。消毒氏程度には自覚的になって。
○ 南北戦争やったのは悪くないけどレコンストラクションが拙いって批判。KKKと取るのは曲解
● ある意味KKKなら差別意識があるだけマシ。"黒人に商品価値を見出してやる善良な白人"的自意識にこそうんざりする。無自覚な人間が一番困る。前提すら共有できないから。
‥‥‥‥どこの代理戦争かと思った。
「男が女の商品価値に拘る限り価値ある商品は高騰する。女が"レートを下げ"たとしても安く買い叩かれるだけで女の商品化という規範は温存される」に注目。
これは、男の性的志向の中核にフェティシズム（女をモノとして愛でる視線）がある以上、男の価値観が変わっても完全に消え去ることはない気がする（セクシュアリティはあらゆる規範、道徳、良心に最後まで抵抗する。おそらく価値観にも）。
女の「自らの主体的な性の商品化」は結果的に男のフェティシズムへの過剰な迎合となった。
過剰だっただけに男の期待を遥かに超えて男を脅かしたのかもしれない。
と、今回は言葉少なにまとめてみる。
●関連記事（議論は繰り返されますなぁ）
正しいことと重要なこと - Ohnoblog2（06.12.31）
