『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』、『モスクワは涙を信じない』(連載更新されました)

年末も押し迫り、急に冷え込んできましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。私はうっかり風邪気味です。。
「シネマの女は最後に微笑む」第99回と第100回(最終回)のお知らせです。

 


◆『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』(クレイグ・ガレスピー監督、2017)

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90年代、オリンピックに二度出場したアメリカのフィギュアスケータートーニャ・ハーディングの、波乱に満ちた半生を描いた作品。
ナンシー・ケリガン襲撃事件やリレハンメル五輪での前代未聞のトラブルなど、ダークな印象を残してスケート界を去った彼女を、マーゴット・ロビーが熱演しています。もともとアイスホッケーのチームに所属していたそうで、アクションが得意な彼女のこと、プロスケーターやCGも使っているものの、キレのある動きを見せてくれます。

上品さや出自の良さといったイメージを求めるフィギュアスケート界において、労働者階級出身で泥まみれな中で戦ってきたトーニャ、という人物造形。70%くらい寄り添いつつも、30%は突き放したドライな視点が良いです。
そして何より、トーニャの母を演じるアリソン・ジャネイが凄い。名演。

 


◆『モスクワは涙を信じない』(ウラジーミル・メニショフ監督、1980)

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(画像はイメージです)

 

この作品を最終回に取り上げようと、前から決めていました。初見は1990年頃でしたが、去年久々に見直して、まさに「現代女性」のドラマだと思ったからです。

第一部は1950年代末のモスクワで働く若い女性、第二部は彼女の20年後を描いています。
今から40年余りも昔の旧ソ連の作品でありながら、モチーフはほとんど古さを感じさせません。今でも”あるある”な話が満載。
随所にユーモアやアイロニーを散りばめつつ、骨太な「女の半生」物語になっています。
また、テキストの最後の方に編集者が、主役を演じたヴェーラ・アレントワの近影を入れてくれました。胸熱です。

 


四年に亘った連載「シネマの女は最後に微笑む」、今回にて終了します。当初は40回くらいで行き詰まるかと思いましたが、なんとか100回まで漕ぎ着けました。お読み下さった皆様、ありがとうございました。
以下から全回読めます。

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さて、来年からは同じくForbesJAPANにて、新連載がスタートします。映画関連ですがテーマはがらりと変わり、これまでの月2回から月1回の更新になります。その分、スペシャルな内容にしたいと思っていますので、引き続きどうぞよろしくお願い致します。
始まりましたら、ここでまたお知らせします。乞うご期待!